劇的に違うよ。すべり摩擦の台形ねじは機械効率がおおむね30〜50%。つまりモーターのパワーの半分以上を摩擦熱で捨てている。ボールねじは転がり摩擦だから効率90〜95%。左のスライダーで「機械効率」を見てみて。同じトルク・同じリードでも、効率が高いほど推力 F = 2π·η·T/ℓ が大きく出る。同じモーターでより重い物をより速く動かせる——これがCNC工作機械やロボットにボールねじが使われる理由なんだ。
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「リード」というのが何度も出てきますが、これは何ですか?
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リードは「ナットが1回転したときに進む距離」だよ。リード10mmのねじなら、1回転で10mm進む。送り速度は V = ℓ·n/60 だから、リードを大きくすれば速くなる。でもタダじゃない。推力 F = 2π·η·T/ℓ を見ると、リード ℓ が分母にある。つまりリードを大きくすると速くなる代わりに、同じトルクで出せる推力は下がる。下の「推力 vs リード」グラフがその右肩下がりのカーブだ。高速搬送ならリード大、重切削ならリード小、と使い分けるんだ。
駆動トルク T から生じる推力は F = 2π·η·T/ℓ で求めます(ℓ はメートル換算したリード、η は機械効率)。リードが小さいほど同じトルクで大きな推力が出る一方、送り速度は遅くなります。これが「速度と推力のトレードオフ」です。例えばリード10mm・トルク5N·m・効率0.90なら、F=2π×0.90×5/0.010≈2827Nの推力が得られます。重い加工負荷を押すならリードの小さいねじ、高速搬送ならリードの大きいねじを選びます。
産業用ロボット・搬送装置:直交ロボット(ガントリーローダ)、電動シリンダ、半導体製造装置のステージ駆動などにボールねじが使われます。本ツールの加速度 a = F/m は、所定のサイクルタイムで搬送体を加減速できるかの目安になります。質量が重い・サイクルが速い用途では、推力が加速に食われて切削や押し付けに使える分が減るため、加減速設計が重要になります。
まず多いのが、「ボールねじは効率100%に近いから損失を無視してよい」という誤解です。確かに90〜95%は高効率ですが、残りの5〜10%は摩擦熱としてねじ軸を温めます。発熱でねじ軸が熱膨張すると、長いねじほど位置決め誤差が拡大します。高精度機ではこの熱変位を抑えるため、ねじ軸を中空にして冷却油を通したり、両端を固定して予張力をかけたり、温度補正をかけたりします。本ツールの効率 η は計算上の値であり、実機では発熱と熱変位を必ず合わせて検討してください。
次に、「推力が出れば速度はいくらでも上げられる」という思い込み。送り速度 V はリードと回転数の積ですが、回転数には「危険速度(軸の曲げ共振)」と「DN値(ボールの転がり限界)」という二つの上限があります。細くて長いねじ軸を高速回転させると、軸自身が縄跳びのように振れる危険速度に達して激しく振動します。本ツールが計算する V や F が魅力的でも、その回転数が危険速度・許容DN値を超えていないかは、別途メーカーのカタログで必ず確認する必要があります。