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周波数応答

ボード線図ジェネレーター

要点(クイックアンサー)
ボード線図はゲイン |G(jω)|_dB=20·log₁₀|G(jω)| と位相 ∠G(jω) を周波数で描きます。安定余裕はゲイン余裕 GM=−20log₁₀|G(jω_pc)|、位相余裕 PM=180°+∠G(jω_gc) で評価します。

標準的な伝達関数のゲイン線図・位相線図をリアルタイムに描画します。ゲイン余裕、位相余裕、交差周波数を自動計算し、安定性を評価できます。

伝達関数
伝達関数タイプ
ゲイン K
時定数 τ [s]
高次から低次へカンマ区切りで入力
周波数範囲
最小 ω [rad/s]
最大 ω [rad/s]
信号アニメーション — 入力 vs 出力(減衰・位相遅れが見える)
テスト周波数の正弦波(入力)が、システム H(jω) を通って 振幅が縮み・位相が遅れる様子をリアルタイム表示。周波数を上げると減衰(ロールオフ)と位相遅れが増えるのが見えます。
この信号アニメは左パネルの伝達関数タイプ・パラメータ(ωc, ζ, K…)と連動します。下のボード線図上の縦線が現在のテスト周波数を示します。
計算結果
安定
ゲイン余裕 [dB]
位相余裕 [°]
ゲイン交差 ωgc [rad/s]
位相交差 ωpc [rad/s]
ゲイン線図 [dB vs log ω]
位相線図 [° vs log ω]
理論・主要公式

ゲイン (dB) and phase:

$$|G(j\omega)|_{\rm dB}=20\log_{10}|G(j\omega)|, \quad \angle G(j\omega)$$

ゲイン余裕と位相余裕:

$$GM = -20\log_{10}|G(j\omega_{pc})|\ [\text{dB}], \quad PM = 180°+\angle G(j\omega_{gc})$$

$\omega_{gc}$: $|G|=1$(0dB)となる周波数、$\omega_{pc}$: 位相が -180° となる周波数

ボード線図とは?

🙋
ボード線図は何を表すグラフですか?制御設計でよく使われる理由も知りたいです。
🎓
周波数を変えたときのシステム応答を、ゲインと位相の2つのグラフで表したものです。ゲインは増幅・減衰の大きさ、位相は入力に対する遅れを示します。「ゲイン K」や「減衰比 ζ」を動かすと、安定余裕や共振ピークがどう変わるかを確認できます。
🙋
ゲイン余裕や位相余裕は、安定性の目安という理解でよいですか?
🎓
はい。ゲイン余裕は、どれだけゲインを増やしても不安定化しにくいか、位相余裕はどれだけ余分な位相遅れを許容できるかを表します。一般にはゲイン余裕6dB以上、位相余裕30度以上が一つの目安になります。

物理モデルと主要式

伝達関数 $G(s)$ に対して $s=j\omega$ を代入し、周波数ごとの複素応答を求めます。ゲインはデシベル表示、位相は角度で表示します。

$$|G(j\omega)|_{\rm dB}=20\log_{10}|G(j\omega)|,\quad \angle G(j\omega)$$

対数表示にすることで、周波数範囲が広いシステムでも傾向を読み取りやすくなります。

ゲイン余裕 GM と位相余裕 PM は、位相交差周波数とゲイン交差周波数から求めます。

$$GM=-20\log_{10}|G(j\omega_{pc})|,\quad PM=180^\circ+\angle G(j\omega_{gc})$$

$\omega_{pc}$ は位相が -180° になる周波数、$\omega_{gc}$ はゲインが0dBになる周波数です。余裕が負になる場合は閉ループ系が不安定になる可能性があります。

伝達関数とゲイン・位相

ボード線図は、システムの周波数応答を「ゲイン線図」と「位相線図」で表したものです。伝達関数 $G(s)$ に $s=j\omega$ を代入した $G(j\omega)$ について、ゲインと位相を周波数 $\omega$(対数軸)に対してプロットします。

ゲイン $[\text{dB}] = 20\log_{10}|G(j\omega)|, \qquad$ 位相 $[\deg] = \angle G(j\omega)$

ゲインをデシベル(dB)で表すため、伝達関数の積(直列接続)は線図の足し算になり、複雑な系も要素ごとに重ね合わせて描けます。これがボード線図の最大の利点です。

1次系・2次系のボード線図

1次遅れ系 $G=\dfrac{1}{1+sT}$ は、折点角周波数 $\omega=1/T$ を境にゲインが −20 dB/dec で減衰し、位相は $0°\to-90°$ へ変化します(折点で $-45°$)。2次系 $G=\dfrac{\omega_n^2}{s^2+2\zeta\omega_n s+\omega_n^2}$ は $-40$ dB/dec で減衰し、位相は $0°\to-180°$、減衰比 $\zeta$ が小さいと固有角周波数 $\omega_n$ 付近に共振ピークが現れます。

要素ゲイン傾き位相
積分 $1/s$$-20$ dB/dec$-90°$(一定)
1次遅れ $1/(1+sT)$折点後 $-20$ dB/dec$0°\to-90°$
2次系折点後 $-40$ dB/dec$0°\to-180°$

安定余裕(ゲイン余裕・位相余裕)

ボード線図はフィードバック系の安定性評価に使われます。一巡伝達関数について、

どちらも正で大きいほど安定で、目安は位相余裕 $30°\sim60°$、ゲイン余裕 $6$ dB 以上です。余裕が小さいと振動的・不安定になります。本シミュレーターでパラメータを変え、線図と安定余裕の変化を確認できます。

よくある質問

一般には、ゲイン余裕または位相余裕が負になると閉ループ系は不安定化しやすくなります。実機では遅れ、飽和、摩擦なども加わるため、十分な余裕を残して設計します。
高次系でも周波数応答を数値的に評価できます。ただし次数が極端に高い場合や周波数範囲が広すぎる場合は描画が重くなるため、表示範囲を絞ると確認しやすくなります。
低周波ゲインを下げる、位相進み補償を入れる、極や零点の配置を見直す、といった方法があります。応答速度と安定余裕はトレードオフになるため、グラフを見ながら調整します。

実務での使いどころ

制御系設計: ロボット、ドローン、化学プロセスなどのフィードバック制御で、応答速度と安定余裕を確認します。

振動・音響解析: 共振ピークを把握し、減衰不足による過大振動や騒音を避けます。

フィルタ設計: 不要な周波数成分をどれだけ減衰できるかを確認します。

注意点

ゲイン余裕が大きければ常に良いわけではありません。余裕を大きく取りすぎると応答が遅くなる場合があります。また、ボード線図の評価は線形時不変系を前提にしているため、実機では飽和、摩擦、遅れなどを含めた検証が必要です。

使い方ガイド

  1. 「伝達関数タイプ」で一次遅れ/二次系/積分器/PD補償器/カスタムのいずれかを選ぶ
  2. 選んだタイプのゲイン K・時定数 τ・固有角周波数 ωn・減衰比 ζ などをスライダーまたは数値入力で設定する
  3. パラメータ変更で(または「描画」ボタンで)ゲイン線図・位相線図が即時更新され、ゲイン余裕・位相余裕・ゲイン交差/位相交差周波数が自動計算される
  4. 最小 ω・最大 ω スライダー(10 の指数で指定、初期値 10^-2〜10^3 rad/s)でログ軸の表示範囲を調整する

具体的な計算例

伝達関数タイプで「二次系」を選び、K=1、固有角周波数 ωn=10 rad/s、減衰比 ζ=0.5 を入力すると、ボード線図のゲインは ω≈10 rad/s 付近で共振的に持ち上がり(ζ<0.707 のため)、位相は 0° から −180° へ単調に低下する。位相が −180° に漸近するだけで交差しないため、この単独要素では位相交差周波数・ゲイン余裕は現れない(GM=∞表示)。本ツールは伝達関数タイプを1つずつ選んで評価する設計で、複数要素の直列合成は行わない点に注意。産業用サーボでは開ループ全体で位相余裕 45° 以上が安定性確保の目安である。

実務での注意点

  1. ゲイン余裕が 6 dB 未満の場合、パラメータチューニングによる安定化が必須。特に機械系の共振周波数近傍では位相が急変するため要注意
  2. 2次要素の減衰比 ζ を高めると位相余裕が向上するが、応答速度が低下するトレードオフが発生
  3. 実装時は むだ時間 0.005~0.02秒 を見込み、その分の位相遅れを設計段階で補償する
  4. ボード線図は定常状態の周波数応答を示すため、過渡特性確認は別途ステップ応答シミュレーション推奨

準拠規格・前提条件

準拠/参考:古典制御 周波数応答。\(s=j\omega\) を代入し \(|G(j\omega)|_{dB}=20\log_{10}|G|\)、位相 \(\angle G(j\omega)\)。安定余裕 \(GM=-20\log_{10}|G(j\omega_{pc})|\)、\(PM=180^\circ+\angle G(j\omega_{gc})\)。

モデルの前提:LTI・1要素ずつ評価(一次遅れ/二次系/積分器/PD/カスタム多項式)。直列合成・むだ時間・離散化は行わない。二次系は \(K\omega_n^2/(s^2+2\zeta\omega_n s+\omega_n^2)\)。

適用範囲・限界:教育・解析用。検証:一次遅れは \(\omega=1/\tau\) で −3.01 dB・−45°、二次系 \(\zeta=0.5,\omega_n=10\) は \(\omega=\omega_n\) で |G|=1・−90° と本ツールが一致。実機開ループ全体の余裕評価は要素合成版を用いること。