電場・電位シミュレーター 戻る
電磁気学

電場・電位シミュレーター

最大3個の点電荷を自由に配置し、クーロン力の重ね合わせによる電場ベクトルと電位カラーマップをリアルタイム可視化。等電位線・断面電位グラフも同時表示。

点電荷の設定
電荷 1 (+)
q₁
μC
x₁
m
y₁
m
電荷 2 (−)
q₂
μC
x₂
m
y₂
m
電荷 3 (+)
q₃
μC
x₃
m
y₃
m
カーソル位置
計算結果
— kV
電位 V
— kV/m
電場強度 |E|
場の分布

マウスをキャンバス上に移動すると、その位置の電位・電場強度を左パネルに表示します。

水平断面(y = 0)の電位分布
理論・主要公式
$$\vec{E}=\sum_i k\frac{q_i}{r_i^2}\hat{r}_i$$ $$V=\sum_i k\frac{q_i}{r_i}$$

$k=8.99\times10^9\ \mathrm{N{\cdot}m^2/C^2}$
電場は電位の負の勾配:$\vec{E}=-\nabla V$

電場・電位シミュレーターとは

🙋
画面上に矢印と色のグラデーションが出てますけど、これって何を表してるんですか?
🎓
大まかに言うと、色が「電位」で、矢印が「電場」だよ。電位は山の高さみたいなスカラー量で、色が青いほど低く、赤いほど高い。電場はその坂の急な方向と大きさを表すベクトルなんだ。例えば、上のスライダーでq1の電荷をプラスからマイナスに変えてみると、矢印の向きが反転して、色の山が谷になるのがわかるよ。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ、白い線(等電位線)は電位が同じ高さのところを結んだ線ということですか?矢印と線がいつも直角に交わってるみたいです。
🎓
その通り!電場ベクトルは常に等電位線に垂直なんだ。これは「電場は電位の最も急な下り坂方向」を向くからだよ。実務では、この性質を使って金属表面(等電位面)に垂直に入る電場の向きを予測したりするんだ。シミュレーターで電荷を2つに増やして、位置を近づけたり離したりしてみると、等電位線の形がどう変わるか観察してみて。
🙋
下のグラフは何を見てるんですか?電位の高さが一番下がってる場所が、電場が一番強い場所ということですか?
🎓
鋭いね!そのグラフは、画面の水平方向(x軸)に沿った電位の断面図なんだ。確かに、グラフの傾きが急なところ(坂がきついところ)が、電場ベクトルが長い、つまり電場が強い場所に対応するんだよ。数式的には電場は電位の勾配の逆だからね。パラメータでy2の値を変えて電荷の上下位置をずらすと、この断面グラフの形がどう変わるか、確認してみよう。

よくある質問

本シミュレーターはリアルタイム更新が基本ですが、ブラウザの負荷軽減のため更新が一時停止している可能性があります。画面上の「更新」ボタンまたは「自動更新」トグルを確認し、有効にしてください。それでも更新されない場合は、ページをリロードしてみてください。
電位カラーマップは平面上の各点の電位を色の濃淡(青→低電位、赤→高電位)で可視化します。等電位線は同じ電位の点を結んだ線で、線が密なほど電場が強いことを示します。両者を併用することで、電位分布の全体像と詳細を同時に把握できます。
kは真空中の物理定数(8.99×10^9)で固定しています。これは現実の電磁気学と一致させるためです。ただし、教材用に相対的な比較だけを行いたい場合は、電荷量の単位を任意の相対値(例:+1, -2)で入力してご利用ください。
はい、マウスホイールで拡大縮小、ドラッグで画面のパンが可能です。また、右側のコントロールパネルにある「表示範囲リセット」ボタンを押すと、全点電荷が収まる最適なビューに自動調整されます。

実世界での応用

電子部品・半導体設計:ICチップ内部の微小な電極配置による電場分布をシミュレーションし、電子の経路や寄生容量を予測します。電位分布を見ることで、意図しない電気的な干渉(クロストーク)を防ぐ設計が可能になります。

高電圧機器・絶縁設計:変圧器や送電線の端子周辺で電界が集中する部分(ホットスポット)を特定します。電位グラデーションが急峻な場所は絶縁破壊のリスクが高いため、等電位線の間隔を均一に近づけるような形状設計が行われます。

生体電位・医療機器:心電図や脳波計は、体内の細胞活動によって生じる微弱な電位差を測定します。シミュレーターで複数の電源(電荷)を配置するのと同様に、複数の心筋細胞が体表面に作る電位分布をモデル化します。

静電塗装・集塵:塗装対象物と塗料粒子に異なる電荷を与え、電場によって粒子を誘導します。このシミュレーターのように、電極形状と位置を変えて最適な電場ライン(塗料の飛翔経路)を設計する際の基礎理解に役立ちます。

よくある誤解と注意点

このシミュレーターを使い始めるとき、いくつか気をつけてほしいポイントがあるよ。まず、「電場ベクトルの長さは、その場所の電位の高さに比例する」と思いがちだけど、それは誤解だ。電場の強さは「電位の傾きの急さ」、つまり変化率で決まる。例えば、電位が高い平らな高原(等電位線の間隔が広い)では電場は弱く、電位が低くても急峻な谷(等電位線が密)では電場は強くなる。画面で確かめてみて。

次に、シミュレーター上では無限に近づけられる点電荷も、実務では「点」として扱える範囲が決まっている。例えば、1mm角の電極に1nCの電荷が帯電している場合、数cm以上離れた場所ではほぼ点電荷とみなせるが、電極表面から1mm以内の領域では電荷分布を考慮する必要が出てくる。ツールの結果をそのまま現実に当てはめる時は、このスケール感が大事だ。

最後に、このシミュレーターの計算の根幹である「重ね合わせの原理」は、線形な媒質(おおむね真空や空気)でのみ成り立つことを覚えておこう。周囲に強く分極する物質(強誘電体)や、導体が存在すると、それらが作る誘導電荷によって場が大きく歪み、単純な足し算では計算できなくなる。あくまで基本原理を学ぶための「理想化された環境」でのシミュレーションだと理解しておこう。