$$m = \frac{M \cdot I \cdot t \cdot \eta}{n \cdot F}$$
$F = 96485$ C/mol(ファラデー定数)
$\delta = \dfrac{m}{\rho \cdot A}$(膜厚)
$J = I / A$(電流密度)
$P = V \cdot I$(消費電力)
ファラデーの法則に基づく電気めっき・電気分解・電解精製の計算ツール。電流・時間・電流効率から析出量・膜厚・エネルギー消費量をリアルタイムで算出します。
$$m = \frac{M \cdot I \cdot t \cdot \eta}{n \cdot F}$$
$F = 96485$ C/mol(ファラデー定数)
$\delta = \dfrac{m}{\rho \cdot A}$(膜厚)
$J = I / A$(電流密度)
$P = V \cdot I$(消費電力)
プリント基板の銅めっき:電子部品を実装する基板の配線形成に不可欠です。求められる導体の厚さ(膜厚)を達成するために、必要な電流と時間をこの計算機で素早く見積もり、生産条件を設定します。
装飾めっき(金めっきなど):時計やアクセサリーに薄く均一な金の膜を付与します。高価な金を効率的に使用するため、目標の膜厚に必要な最小限の金の量(質量)を計算し、コスト管理に役立てます。
アルミニウムの電解精製:ボーキサイトからアルミナを経てアルミニウム金属を得る工業プロセス(ホール・エルー法)では、莫大な電流が使われます。生産量の予測やエネルギー消費量の評価にファラデーの法則が応用されています。
めっき浴の管理と分析:実際のめっき工程で、理論計算値と実測された析出量の差から、電流効率を逆算できます。これにより、めっき浴の劣化や副反応の進行度を把握し、メンテナンスのタイミングを判断します。
この計算ツールを使い始める際に、特に現場の初心者が陥りがちな落とし穴がいくつかあります。まず第一に、「電流効率は固定値ではない」ということ。ツールでは定数として入力しますが、実際のめっき浴では、電流密度(単位面積あたりの電流)や温度、浴組成が変わると電流効率も変化します。例えば、ニッケルめっきで電流密度を上げすぎると、水素発生が活発になって効率が90%から70%近くまで落ちることがあります。計算通りに行かない時は、効率の見直しが第一歩です。
次に、「膜厚は均一にはならない」という根本的な事実です。この計算で出るのはあくまで「平均膜厚」。実際の電極(特に複雑な形状の部品)では、角部や突起部は電流が集中して厚く(過めっき)、窪んだ部分は薄く(低めっき)なります。面積「A」には、めっきされる全表面積を使いますが、均一性を考えるなら「電流分布」という別次元の検討が必要です。
最後に、単位の混同に要注意。計算式では[cm]や[g/cm³]を使いますが、現場では膜厚は[μm]、面積は[dm²](特に装飾めっきで「1平方デシメートル」という単位がよく使われる)が一般的。ツール内部で換算されていても、自分で手計算する際は単位を一貫させましょう。例えば、面積を10 cm²(=0.1 dm²)と間違えて1 dm²と入力すると、計算結果の膜厚は10倍も違ってきて重大な誤りです。
銅めっき加工で電流25A、処理時間2時間、電流効率95%、処理面積100cm²の条件:ファラデーの法則により析出銅量=電流(A)×時間(秒)×モル質量(63.5g/mol)÷(電子数2×96500C/mol)となり、約59.8gが析出します。膜厚は析出量÷(密度8.9g/cm³÷面積100cm²)で約67μmに達します。消費電力量は25A×2時間×電圧(4.5V=銅めっき槽の標準値)÷1000で約0.225kWh、電気代は約5.4円(単価24円/kWh)となります。