EOQ 在庫管理計算機 戻る
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在庫管理・経済的発注量(EOQ)計算機

年間需要・発注コスト・保有コストを入力してEOQを自動計算。在庫推移グラフとコストトレードオフ曲線をリアルタイム可視化し、再発注点・安全在庫も算出します。

パラメータ設定
年間需要 D
個/年
1回の発注コスト S
¥
年間保有コスト H
¥
単価 p
¥
リードタイム L
需要変動 σ(日次)
個/日
サービスレベル 95%
計算結果: 計算中...
計算結果
EOQ [個]
ROP [個]
安全在庫
年間総コスト
年間発注回数
サイクル[日]
在庫
理論・主要公式

経済的発注量:

$$EOQ = \sqrt{\frac{2DS}{H}}$$

年間総コスト:

$$TC = \frac{D}{Q}S + \frac{Q}{2}H + Dp$$

再発注点:

$$ROP = d \cdot L + z \sigma \sqrt{L}$$

在庫管理・経済的発注量(EOQ)計算機とは

🙋
「経済的発注量(EOQ)」って何ですか?聞いたことはあるけど、具体的に何を最適化してるんですか?
🎓
大まかに言うと、「発注コスト」と「在庫を持っておくコスト」のバランスを取って、年間の総コストを一番安くする発注量のことだよ。例えば、スマホの部品を月に1000個使う工場で、発注のたびに事務手数料がかかる。でも、大量に注文して倉庫に置いておくと保管費がかさむ。この板挟みを解消する「丁度いい注文数」がEOQなんだ。シミュレーターの「年間需要D」と「発注コストS」、「保有コストH」のスライダーを動かしてみると、グラフの最低点(総コスト最小)が動くのがわかるよ。
🙋
え、でも現実って「毎月ぴったり同じ数売れる」なんてことないですよね?急に売れたりしたら在庫切れしちゃいませんか?
🎓
その通り!だから基本のEOQモデルには「安全在庫」の考え方を追加するんだ。これが「再発注点(ROP)」の計算に効いてくる。パラメータで「需要変動σ」を大きくしたり、「サービスレベル」を95%に上げてみて。すると、グラフの「安全在庫」の部分が大きくなって、在庫切れリスクに備えているのが分かる。実務では、この安全在庫をどう設定するかが腕の見せ所なんだ。
🙋
なるほど!じゃあ「リードタイムL」って、注文してから届くまでの日数ですよね?これが長引くと、どういう影響があるんですか?
🎓
良いところに気が付いたね。リードタイムが長いと、届くまでの間に在庫がなくならないように、もっと早めに、もしくは多めに発注しなきゃいけない。シミュレーターで「リードタイムL」を10日から30日に増やしてみて。計算された「再発注点」がガッと上がるだろう?これは「在庫がこの水準まで減ったら、もう発注せよ!」というタイミングが早まることを意味する。海外からの調達だとリードタイムが長いから、この管理が特に重要になるんだ。

よくある質問

すべての入力欄(年間需要、発注コスト、保有コスト)に数値が正しく入力されているかご確認ください。未入力やゼロの値があるとグラフは描画されません。また、ブラウザのJavaScriptが有効であることも必要です。
EOQは理論上の最適値です。実際の発注では、計算値を四捨五入または切り上げて整数にしてください。グラフ上の総コスト曲線は緩やかなため、整数にしてもコスト増加はごくわずかです。
過去の日次販売データから標準偏差を計算してください。データがない場合は、月次需要の変動から日次換算するか、業界平均値を仮設定してシミュレーションすることをお勧めします。
はい。再発注点(ROP)の計算式に「zσ√L」の項があり、需要のばらつき(σ)とリードタイム(L)を考慮して安全在庫を算出します。z値(サービス水準)を大きく設定することで、急増リスクに対応できます。

実世界での応用

小売業・EC:衣料品や日用品の適正在庫を決定するために使用されます。季節変動の大きい商品では、基本のEOQに安全在庫を多めに見積もり、在庫切れによる販売機会損失と過剰在庫による処分コストのバランスを取ります。

製造業:自動車や電子機器の組み立てラインで使う部品(ボルト、基板など)の発注計画に応用されます。調達リードタイムが長い海外部品では、ROPの計算が特に重要となり、サプライチェーン管理の基盤となります。

飲食業:食材の仕入れ管理で活用できます。鮮度が命の生鮮食品は保有コスト(廃棄ロス)が非常に高いため、EOQは小さくなり、頻繁に少量発注するモデルが導かれます。需要予測(σ)の精度が利益を左右します。

病院・医療機関:医療消耗品(マスク、手袋、注射器)や薬剤の在庫管理に利用されます。人命に関わるためサービスレベルを高く設定し、安全在庫を多めに確保する傾向があります。在庫コストとリスクのトレードオフが明確に現れる分野です。

よくある誤解と注意点

EOQモデルを使い始めるとき、いくつか陥りがちな落とし穴があるんだ。まず第一に、「パラメータH(保有コスト)の見積もりが甘すぎる」こと。単価×金利だけじゃなくて、倉庫の家賃・光熱費、保険、劣化・陳腐化リスク、さらには在庫管理にかかる人件費まで、全部ひっくるめて考える必要があるよ。例えば、単価1000円の商品で金利5%なら50円と思いがちだけど、実態を精算すると150円くらいになることも珍しくない。これが2倍違えば、計算されるEOQは $\sqrt{2}$ 倍、約1.4倍も変わってくるから要注意だ。

次に、「需要Dが一定という前提を忘れる」こと。基本モデルはあくまで「平らな需要」が前提だから、季節商品や流行りものにそのまま当てはめると大やけどする。例えば、夏場にしか売れない扇風機の年間需要を基にEOQを出して一度に発注しても、在庫は冬の間ずっと寝かせたままになる。こういう場合は、需要期ごとに区切って別々に計算するなど、モデルの適用範囲を意識しよう。

最後に、「EOQは「絶対守るべき値」ではなく「議論の出発点」」ということ。計算で出した発注量が1000個でも、サプライヤーが「500個単位でしか納品できない」と言えば、1000個か1500かに現実合わせる必要がある。また、大量発注で単価が安くなる「数量割引」が効く場合も、総コスト曲線がガクンと下がるポイントがあるから、EOQ付近だけでなく、割引が適用される発注量でのコストも比較検討する必要があるんだ。