$C_{mix}= \dfrac{\dot{m}_1 C_1 + \dot{m}_2 C_2}{\dot{m}_1 + \dot{m}_2}$
逆算 (target):
$\dot{m}_{2,req}= \dfrac{\dot{m}_1(C_{target}-C_1)}{C_2-C_{target}}$
2〜3成分の流体混合をリアルタイム計算。混合後濃度・希釈倍率・目標濃度に必要な流量を質量分率・モル分率・ppm各単位で表示。
化学プラント・プロセス設計:反応器への原料供給ラインで、複数の原料を正確な比率で混合する設計に使用されます。流量計の設定値やタンクの容量設計の基礎計算として不可欠です。
水処理・薬品調合:浄水場での凝集剤注入や、工場での洗浄液・消毒液の原液希釈に応用されます。目標濃度を入力するだけで必要な薬品量が即座にわかり、作業の効率化と誤希釈の防止に役立ちます。
食品・飲料製造:シロップと炭酸水を混合して清涼飲料を作る工程や、調味料の配合設計で使用されます。レシピのスケールアップ(小規模試作から大量生産への変換)時に流量と濃度の関係を計算します。
環境モニタリング・排ガス処理:排ガス中の有害物質濃度を、清浄な空気で希釈して測定可能な範囲に調整する際の計算に利用できます。ppmやppbといった低濃度単位での計算もサポートしています。
このツールを使い始める際に、特に現場経験が浅いエンジニアが陥りがちな落とし穴がいくつかあります。まず第一に、「濃度と流量の単位系は必ず統一する」こと。例えば、流量を [L/min] で入力しながら、濃度を [kg/kg] の質量分率で設定すると、計算結果は完全に無意味になります。ツール内部では単位換算をしていないと考えるのが安全です。すべて質量ベース(kg, kg/h, 質量分率)か、すべて体積ベース(L, L/min, 体積分率)で揃えましょう。
次に、「非理想混合での体積分率の罠」です。例えば、エタノール100mLと水100mLを混ぜると、全体積は約192mLになります。このツールで密度パラメータを「1.0」のまま(=理想混合と仮定)で体積分率を計算すると、混合濃度は50vol%と出ますが、実際の濃度は約52vol%です。高精度が求められる設計では、このずれを無視できません。そのため、プロセス設計の基本は質量ベースであり、このツールでも密度を正確に入力すれば質量ベースから換算した正確な体積分率が得られることを理解しておきましょう。
最後に、逆算機能を使う時の前提条件です。式 $$\dot{m}_{2,req}= \dfrac{\dot{m}_1(C_{target}-C_1)}{C_2-C_{target}}$$ で計算する時、 $C_{target}$ は $C_1$ と $C_2$ の間になければ意味のある答えは出ません。例えば、5%の溶液(Stream 1)を3%の溶液(Stream 2)で薄めて4%にすることは可能ですが、6%にすることは不可能です。ツールが負の流量や異常な値を示したら、まずこの前提を疑ってください。
硫酸濃縮液(98 wt%)と水を混合する場合:成分1として濃硫酸 m1=50 kg/h、c1=98%、ρ1=1840 kg/m³を入力し、成分2として蒸留水 m2=450 kg/h、c2=0%、ρ2=1000 kg/m³を入力します。計算結果として、混合後濃度は約9.8 wt%、総流量は500 kg/h、混合密度は約1058 kg/m³、希釈倍率は10倍となります。目標濃度20 wt%を達成するには、成分2流量を245 kg/h に調整する必要があります