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アナログ電子回路

オペアンプ回路シミュレーター

反転増幅・非反転増幅・加算・積分・微分回路をリアルタイム可視化。ゲイン・位相・波形クリッピングを体験。仮想短絡の概念をインタラクティブに理解。

回路設定
回路タイプ
抵抗・コンデンサ
Rin (kΩ)
Rf (kΩ)
電源・入力信号
±Vcc (V)
V
振幅 (Vp)
V
周波数 (Hz)
Hz
波形タイプ
計算結果
--
Supply rails
⚠ クリッピング発生:出力が ±Vcc を超えています
入出力波形(時間軸)
周波数スペクトル(FFT 概略)
スペクトル
理論・主要公式

反転増幅回路

利得 $A_v = -\dfrac{R_f}{R_{in}}$
反転入力端子を仮想接地とし、負帰還によって入力と逆極性の増幅出力が得られる。

オペアンプ回路シミュレーターとは

🙋
オペアンプって、なんで「仮想短絡」とか「仮想接地」って言うんですか?実際にショートしてるわけじゃないですよね?
🎓
いいところに気づいたね。理想的なオペアンプは、負帰還がかかっているとき、2つの入力端子の電圧を必ず同じに保とうとするんだ。だから電圧差はほぼ0V。でも、電流が流れているわけじゃないから、本当のショートとは違う。このシミュレーターで「反転増幅回路」を選んで、上のスライダーで入力電圧を変えてみて。出力電圧は変わるのに、反転入力端子(-端子)の電圧は常に0V(非反転入力端子の電圧)に張り付いてるのがわかるよ。これが「仮想」の意味だ。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ、この「利得 $A_v = -\dfrac{R_f}{R_{in}}$」って式は、この仮想短絡から出てくるんですか?
🎓
その通り!仮想短絡(-端子の電圧=0V)を前提に、キルヒホッフの電流則を反転入力端子に適用すると、あのシンプルな式が導かれるんだ。シミュレーターで「R_f」と「R_in」の抵抗値をバーで変えてみて。式通りに利得(入力と出力の振幅比)が変わるのが確認できるはずだ。実務では、この式を使って必要な増幅率を得るために抵抗値を決めることが多いね。
🙋
出力の波形が途中で平らになっちゃってる部分があります!これが「クリッピング」ですか?どうして起こるんですか?
🎓
鋭いね!オペアンプの出力電圧は、電源電圧(このシミュレーターでは「±Vcc」のパラメータ)を超えられないんだ。例えば、入力振幅を大きくしすぎたり、利得を上げすぎたりすると、計算上の出力が電源電圧を超えてしまう。そうすると、実際の出力はそこまでしか上がらず、波形の頭が「クリップ」されて平らになる。シミュレーターではその部分が赤く表示されるよ。実際の回路設計では、クリッピングが起こらないように電源電圧や信号レベルを慎重に選ぶんだ。

物理モデルと主要な数式

理想オペアンプの動作を規定する最も基本的な関係式です。負帰還がかかった状態では、この仮定から「仮想短絡」の概念が導かれます。

$$ V_{+}\approx V_{-}$$

$V_{+}$: 非反転入力端子の電圧, $V_{-}$: 反転入力端子の電圧。理想オペアンプでは、開ループゲインが無限大であるため、負帰還時にはこの電圧差が0に保たれます。

代表的な反転増幅回路の電圧利得です。仮想短絡($V_{-}= 0V$)と入力端子に流れ込む電流が0という理想条件から導出されます。

$$ A_v = \frac{V_{out}}{V_{in}}= -\frac{R_f}{R_{in}}$$

$R_f$: 帰還抵抗, $R_{in}$: 入力抵抗。負号は入力信号と出力信号の位相が180度反転(逆極性)であることを意味します。この式は周波数に依存しないため、広帯域で成り立ちます。

よくある質問

電源電圧(Vcc/Vee)の制限によるクリッピングです。出力電圧が電源電圧を超えられないため、波形のピークが平坦になります。シミュレーターで電源電圧や入力振幅を調整して確認できます。
理想オペアンプで負帰還時、反転・非反転端子の電圧がほぼ等しくなる現象です。シミュレーターで反転増幅回路を選び、両端子の電圧波形を表示すれば、常に同電位(例:0V)になる様子をリアルタイムで観察できます。
理想積分器では入力オフセット電圧やバイアス電流がコンデンサに蓄積され、出力が電源電圧まで飽和するためです。シミュレーターでは抵抗を並列追加した実用的な積分回路も試せます。
ゲインを大きくするには帰還抵抗Rfを大きくしますが、出力振幅が電源電圧を超えるとクリッピング歪みが発生します。また、高ゲインではオペアンプの周波数特性により高域で位相遅れが生じ、波形が乱れることもあります。

実世界での応用

センサ信号の増幅:温度センサ(熱電対)や圧力センサからの微弱な電圧信号を、後段のマイコンやADコンバータが扱いやすいレベルまで増幅するために使用されます。例えば非反転増幅回路でノイズの影響を受けにくく増幅します。

オーディオ機器:ミキサーやイコライザー、ヘッドホンアンプなどで広く利用されます。加算回路で複数の音声信号を混合したり、反転/非反転増幅回路で音量調整(利得調整)を行います。

フィルタ回路:積分回路はローパスフィルタ、微分回路はハイパスフィルタとして動作します。これらを組み合わせて、特定の周波数帯域だけを通すバンドパスフィルタを構成し、ノイズ除去などに用いられます。

制御システム:フィードバック制御系の誤差増幅器として使われます。ボルテージフォロワ(利得1のバッファ)は、高インピーダンスの信号源と低インピーダンスの負荷を接続する際のインピーダンス変換として重要です。

よくある誤解と注意点

シミュレーターを使い始めると、理想オペアンプのモデルに慣れすぎてしまうことが最初の落とし穴だ。例えば、「利得は周波数に関係ない」と思い込んでしまう点。確かに基本式 $A_v = -R_f/R_{in}$ には周波数項はない。しかし、実際のオペアンプには「ゲイン帯域幅積(GBW)」という絶対的な制限がある。例えばGBWが1MHzのオペアンプで、100倍の利得を設定すると、理論上は10kHz以上では正しく増幅できなくなる。NovaSolverで「オペアンプ周波数特性」のモデルに切り替えて、高周波数でゲインが落ちていく様子を確認してみよう。

次に、入力インピーダンスを軽視した設計。反転増幅回路の入力インピーダンスはほぼ $R_{in}$ そのものだ。例えば $R_{in}=1k\Omega$ とすると、前段のセンサーや信号源から見ると1kΩの重たい負荷になる。これでは信号源の電圧が引きずられて(負荷効果)、測定誤差の原因になる。非反転増幅回路は入力インピーダンスが極めて高いので、こうした場面では有利だ。

最後に、「仮想短絡」は万能ではないという点。これはあくまで「負帰還が正常にかかっている状態」での話。オペアンプの出力が飽和(クリッピング)している時や、帰還ループが開いている時(コンパレータ動作など)は、仮想短絡は成り立たない。シミュレーターで意図的に利得を極端に大きくして飽和させると、-端子の電圧が0Vからずれるのを観測できる。これは「仮想」が崩れた状態だ。

使い方ガイド

  1. 入力抵抗Rin(1kΩ~100kΩ)とフィードバック抵抗Rf(10kΩ~1MΩ)をスライダーで設定し、反転増幅回路のゲイン(-Rf/Rin)をリアルタイム計算
  2. 積分・微分回路の場合、キャパシタ値Cを変更してカットオフ周波数fc=1/(2πRC)の変化を観察し、位相遅れ・進みを波形で確認
  3. 入力信号V1(直流0V~5V、AC 100mV~2Vpp)を調整してオペアンプ出力の飽和、歪み、スルーレートの影響を視覚化

具体的な計算例

LM358オペアンプの反転増幅回路:Rin=10kΩ、Rf=100kΩ、V1=0.5V入力時、ゲイン=-10、出力=-5Vとなります。積分回路でRin=100kΩ、C=100nFの場合、時定数τ=10msで、1kHz信号の位相遅れは約84°です。Supply railsは±15V設定で、出力飽和電圧は±13.5Vに制限されます。

実務での注意点

  1. オフセット電圧補正:LM358の入力オフセット最大45mVにより、直流増幅時にドリフトが生じるため、キャパシタ結合または補正回路を検討
  2. 周波数特性:利得帯域幅積1MHzのLM358では、ゲイン100倍で帯域幅は10kHzに制限されるため、高周波応用では高速オペアンプ選定が必須
  3. キャパシタ選定:積分回路で電解コンデンサを使用する場合、リーク電流とESRが時定数を劣化させるため、フィルムコンデンサ推奨