$A_v = -g_m(R_C \| R_L)$, $g_m = \dfrac{I_C}{V_T}$
BJTエミッタ接地増幅回路のQポイント・電圧利得・周波数特性をリアルタイム計算。回路定数を変えてIC-VCE特性曲線とボード線図を可視化。
Vcc(電源電圧)のスライダーを12Vに設定してみて。これが回路のエネルギー源だ。R1とR2のスライダーを動かすと、その交点が上下左右に動くのが見えるはず。これがずれると、大きな信号を入れた時に歪んだ音になったりするんだ。Rc(コレクタ抵抗)とRe(エミッタ抵抗)だね。Rcを大きくすると利得は上がるけど、Qポイントも一緒に動いてしまう。だからReを小さくしてQポイントを補正しながら…と、シミュレーターで両方のスライダーを連動させて動かしてみると、利得とQ点のトレードオフが体感できるよ。現場ではこのバランスを取るのが腕の見せ所だ。オーディオアンプの入力段:マイクやギターから来る微弱な信号を最初に増幅する部分に使われます。歪みが少なく安定したQポイントの設計が、音質を左右します。シミュレーターでReを変えてQ点を動かし、歪みの発生を想像してみましょう。
センサ信号の増幅:温度センサやひずみゲージなどからの小さな電圧変化を読み取るために必須です。ノイズに強い設計や、特定の周波数帯域だけを増幅するために、周波数特性(ボード線図)の理解が重要になります。
無線通信(RF)の初期段増幅:アンテナが受信した極めて微弱な電波を最初に増幅する「低雑音増幅器(LNA)」の基本構成として研究されます。高い利得と低いノイズを両立させるパラメータ探しに、こうした基礎シミュレーションが役立ちます。
教育・回路設計の学習ツール:実際に部品を買ってハンダ付けする前に、回路の挙動を予想し、最適な抵抗値を探るために使われます。理論の数式と、スライダーを動かした時のグラフの動きを結びつけることで、直感的な理解が深まります。
まず、「利得を上げるにはRcをひたすら大きくすればいい」という考えは危険です。確かに数式上は利得は上がりますが、QポイントのVCEが小さくなりすぎて、コレクタ-エミッタ間が飽和状態に近づきます。例えば、Vcc=12VでRcを10kΩにすると、IC=1mAならVCEはわずか2V程度。これでは入力信号の負の半波でトランジスタが完全に飽和し、波形の下半分がクリップされて酷い歪みの原因になります。次に、「エミッタ抵抗Reは0Ωが一番利得が高い」というのも誤解。Reをゼロにすると、温度変化によるトランジスタ特性のバラつき(VBEの変動など)が直接ICに影響し、Qポイントが著しく不安定になります。実務では、安定性と利得のバランスを取り、例えばIC=1mAならReは数百Ω〜1kΩ程度に設定するのが一般的です。最後に、シミュレーター上の「周波数特性」はあくまで中域利得の話だという点。このツールで見ているボード線図は、トランジスタ自体の周波数特性ではなく、結合コンデンサによる高域・低域のカットオフを主に可視化したものです。実際のトランジスタにはft(遮断周波数)という性能限界があり、これがオーディオアンプの高音域の伸びや無線回路の設計を根本で制約します。
VCC=12V、β=150、R1=82kΩ、R2=18kΩ、RC=1.2kΩ、RE=470Ω、RL=10kΩの場合、ベース電流IB≈11μA、コレクタ電流IC≈1.65mA、VCE≈5.8V、電圧利得Av≈−120V/V(41dB)となります。低周波帯域(f<100Hz)でゲイン低下が見られ、高周波帯域(f>10kHz)ではトランジスタ内部容量による減衰が生じます。