ギブズの相律 F = C − P + 2 − N により、成分数 C・相数 P・追加拘束数 N から相平衡の自由度 F、1 つの強度量固定下の F、2 つの強度量固定下の F、共存可能な最大相数 P_max を実時間に計算します。T-P 相図の概念図と F-P 線図で不変点・単変点・二変点を可視化します。
パラメータ設定
成分数 C
種
相数 P
相
追加拘束数 N
個
P_max 判定用拘束数
個
既定値は C=2、P=2、N=0、P_max 判定用拘束数=0。F = C − P + 2 − N で計算し、F < 0 は物理的に不可能(指定相数 P が大きすぎる)と判定します。1 つの強度量固定下では F = C − P + 1、2 つの強度量固定下では F = C − P で計算します。
「ギブズの相律」って F = C − P + 2 で覚えたんですけど、この「自由度 F」って具体的に何を意味してるんですか?気温と気圧を測れるってことですか?
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いい質問だ。F は「相平衡を崩さずに独立に変化できる示強変数(温度・圧力・組成など)の数」を意味する。例えば C=1(水だけ)で P=1(液相のみ)なら F = 1 − 1 + 2 = 2 で、T と P を独立に動かしても水のままだ。同じ C=1 で P=2(液と気が共存)なら F = 1 で、T を決めれば飽和蒸気圧が一意に決まる。本ツールの既定値 C=2、P=2、N=0 では F=2、つまり二変点領域。
🙋
じゃあ「三重点」って F=0 の不変点ってことですか?水の三重点が 0.01°C、611 Pa って習いましたけど、なんでそんなにピッタリ決まるんですか?
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そのとおり、三重点は F=0 の不変点だ。C=1、P=3(固液気共存)を入れると F = 1 − 3 + 2 = 0、つまり自由度ゼロで T と P が一意に決まる。本ツールで C=1、P=3 にすると F=0 が出る。SI 単位系では水の三重点 273.16 K = 0.01°C が温度の定義(旧定義)に使われていたほど精密に再現できる点で、これは相律が保証する自然法則上の必然だ。
🙋
「拘束数 N」のスライダーって何ですか?「一定圧力下では F が 1 減る」みたいな話と関係ありますか?
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まさにそれだ。N=1 にすると圧力を 1 atm に固定したことになり、F = C − P + 2 − 1 = C − P + 1 になる。例えば Fe-C 合金(C=2)で常圧下の二相共存(P=2)なら F = 2 − 2 + 1 = 1、つまり温度を決めれば組成が一意に決まる。これが金属の状態図(T-X 図)の理論的根拠だ。N=2 にすれば T と P 両方固定で F = C − P。本ツールでスライダーを動かすと、それぞれの統計カードに値が出るようにしてある。
そう、これも相律の重要な帰結だ。共存可能な最大相数は P_max = C + 2 − N で、純物質(C=1)かつ N=0 なら最大 3 相(三重点まで)、二成分系(C=2)なら最大 4 相、三成分系で最大 5 相となる。それを超える相を共存させようとすると F < 0 となり「物理的に不可能」になる。Gibbs(1875 年)の業績はこの単純な不等式で「世界中の相図がなぜそういう形をしているか」を一網打尽に説明した点にある。本ツールで C と P を極端な組み合わせにすると赤領域(F<0)が見える。
よくある質問
ギブズの相律は、定温・定圧条件下の相平衡で「独立に変化できる強度量(示強変数)の数」すなわち自由度 F を、成分数 C と相数 P から決定する基本則です。式は F = C − P + 2 − N で、+2 は温度 T と圧力 P の 2 つの強度量に対応し、N は追加で固定する拘束数(一定圧力下の実験なら 1 など)です。本ツールの既定値(C=2、P=2、N=0)では F = 2 − 2 + 2 − 0 = 2 となり、T と P を独立に動かせる二変点領域です。