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構造解析

ゴム弾性・超弾性構成則シミュレーター

Neo-Hookean・Mooney-Rivlin・Ogdenの3モデルを比較しながら、応力-伸び曲線と歪みエネルギー密度をリアルタイム計算。材料パラメータの感度を直感的に把握できます。

パラメータ設定
変形モード
最大伸び比 λmax
C10 (MPa)
MPa
C01 (MPa) — Mooney-Rivlin
MPa
Ogden μ1 (MPa)
MPa
Ogden α1
計算結果 (λ = λmax)
計算結果
工学応力 σeng (MPa)
真応力 σtrue (MPa)
歪みエネルギーW (MPa)
初期剪断弾性率 μ₀ (MPa)
応力 — 伸び比曲線 (3モデル比較)
歪みエネルギー密度 W — 伸び比曲線
理論・主要公式

Neo-Hookean: $\sigma = 2C_{10}(\lambda^2 - \lambda^{-1})$

Mooney-Rivlin: $\sigma = 2(\lambda^2 - \lambda^{-1})(C_{10}+ C_{01}/\lambda)$

Ogden: $\sigma = \sum_i \mu_i (\lambda^{\alpha_i - 1}- \lambda^{-\alpha_i/2 - 1})$

初期剪断弾性率: Neo-Hookean: μ=2C₁₀, MR: μ=2(C₁₀+C₀₁)

ゴム弾性・超弾性構成則とは

🙋
「超弾性モデル」って何ですか?普通の金属の弾性と何が違うんですか?
🎓
大まかに言うと、ゴムみたいに「大きく伸び縮みしても元に戻る」材料のための特別なルールだね。金属は数%伸びたら塑性変形してしまうけど、ゴムは100%伸びても元に戻るでしょ?その巨大な変形を精度良く予測するのが超弾性モデルなんだ。このシミュレーターの上の「モデル選択」をNeo-HookeanからMooney-Rivlinに変えてみると、応力-伸び曲線の形が変わるのがわかるよ。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ、Neo-HookeanとMooney-Rivlin、Ogdenはどう使い分けるんですか?
🎓
実務では、データの範囲と精度、計算コストで決めることが多いね。Neo-Hookeanはパラメータが1つでシンプル。中程度の伸び(伸び比λ=3くらいまで)のゴム部品の初期設計でよく使う。Mooney-Rivlinはパラメータが2つで、より広い範囲や二軸変形(例えばゴムシートを両方向に引っ張る時)の精度が上がる。Ogdenは複雑だけど、シリコーンゴムみたいに非常に伸びる材料(λ=5以上)に強いんだ。実際にパラメータC10やC01のスライダーを動かして、曲線がどう変わるか確かめてみて。
🙋
「変形モード」で一軸、二軸、純粋せん断って選べますけど、これはどういう場面で使うんですか?
🎓
良い質問だね!例えば自動車のタイヤは、路面に接する部分は一軸引張に近いけど、側面は二軸引張状態だ。また、ブッシュ(防振ゴム)はせん断変形が主だよね。材料試験では一軸引張データしか取れないことが多いけど、CAEで部品を解析する時は部品ごとに変形モードが違う。だから、一軸データだけで決めた材料パラメータが他の変形モードでも正しいか、このツールで「変形モード」を切り替えて確かめることができるんだ。設計の信頼性を上げるのに重要なステップだよ。

よくある質問

実験データ(応力-伸び曲線)にフィッティングして決定します。このシミュレーターではスライダーで値を変えながら曲線の変化をリアルタイムで確認できるため、お手持ちのデータと照らし合わせて最適なパラメータを直感的に探索できます。初期値としては、Neo-HookeanのC10はせん断弾性係数の半分程度が目安です。
現バージョンでは一軸引張のみ対応しています。ただし、各モデルのひずみエネルギー密度関数は変形モードに依存しない形で定義されているため、パラメータの感度を一軸引張で把握した後、他のモードの理論式に同じパラメータを適用して解析することは可能です。今後の拡張を検討中です。
Nは項数を表し、N=1ではμとαの2パラメータ、N=2ではμ1,α1,μ2,α2の4パラメータで曲線形状を表現します。N=2の方が非線形性の強いゴム材料や広い伸び域でのフィッティング精度が向上しますが、パラメータ同士の相互作用が複雑になるため、本ツールではまずN=1で大まかな傾向を掴むことを推奨します。
応力の単位は材料パラメータの単位に依存します。例えばC10やμをMPaで入力すれば、出力される公称応力もMPaになります。パラメータを無次元化して入力すれば相対比較が可能です。ツール内では単位換算は行っていないため、ご自身の使用する単位系に合わせてパラメータを設定してください。

実世界での応用

自動車・輸送機器:タイヤ、エンジンマウント、ブッシュ(防振ゴム)、ドアシール、ワイパーブレードなど。特にエンジンマウントは大きな荷重と変形を受けるため、超弾性解析は耐久性設計に不可欠です。

電子機器・精密機器:スマートフォンの防水用Oリング、コネクターのシール部、緩衝材(ゴム足)。小型化が進む中で、限られた空間でのゴム部品の大変形挙動を予測するために使われます。

医療・バイオエンジニアリング:人工血管、ソフトコンタクトレンズ、組織工学の足場材料、手術用シミュレータ。生体軟組織も超弾性的な挙動を示すため、Ogdenモデルなどが適用されます。

スポーツ用品・日用品:シューズの中底(EVAフォーム)、マスクの耳掛け部分、家庭用ゴム手袋。ユーザーの快適性と製品の機能性を両立させる材料設計に活用されています。

よくある誤解と注意点

まず、「材料定数は材料のカタログ値ではない」という点を押さえよう。例えば、あるゴムのC10=0.5 MPaと聞いて、それが引張強さや硬さの直接的な指標だと思いがちだ。しかし、これらの定数は「ひずみエネルギー密度関数」という特定の数式モデルにフィッティングした結果でしかない。同じ材料でも、Neo-HookeanでフィットしたC10と、Mooney-RivlinでフィットしたC10は物理的に異なる値になる。だから、文献や他社データの定数をそのまま使うのは危険で、必ず自社の試験データに基づいてフィッティングし直す必要があるんだ。

次に、「一軸引張データだけで全てが決まるわけではない」という落とし穴。確かに一軸試験は簡単だが、これだけだと二軸やせん断の挙動を過小評価することが多い。例えば、一軸データだけからMooney-RivlinのC01を決めると、実際の部品が二軸変形を受けた時に応力を50%以上も過小評価してしまうケースがある。実務では、可能なら圧縮や平面引張(二軸に近い)の試験データも取得して、複数の変形モードで曲線が合うようにパラメータを調整するのが理想だ。このシミュレーターで変形モードを切り替えてみると、一軸でフィットした曲線が他のモードでどうずれるか、一目で確認できるよ。

最後に、「Ogdenモデルの次数Nは大きければ良いわけではない」。OgdenモデルはN=1,2,3...と項を増やせば複雑な曲線にフィットできるが、過剰適合のリスクがある。N=3以上にすると、試験データの誤差範囲内にぴったりフィットするが、データ点の間(補間)や外(外挿)で現実離れした振る舞いをすることがある。まずはN=1または2から始めて、フィットの具合を見ながら必要性を判断しよう。計算コストもCAEでは無視できないからね。

使い方ガイド

  1. 一軸伸び試験の場合、lblLambdaで伸び比λ(1.0~3.0)を設定します。例えばλ=1.5は50%の伸びを意味します
  2. Mooney-Rivlinモデルを選択時、lblC10とlblC01の材料定数を入力します。一般的なNBRゴムではC10=0.8MPa、C01=0.2MPaの範囲です
  3. OgdenモデルはlblMu1とlblLambdaで第1項の剛性と初期透過率を定義し、多項式項を追加して複雑な応力-伸び関係をモデル化します

具体的な計算例

天然ゴム(NR)の一軸引張試験:λ=2.0(100%伸び)、Neo-Hookeanモデル(C10=0.5MPa)を適用すると、エンジニアリング応力は約1.75MPaと計算されます。同じ条件でMooney-Rivlin(C10=0.5MPa、C01=0.15MPa)を使用すると約1.62MPaになり、分子間相互作用の影響が反映されます。λ=3.0まで伸ばした場合、応力は7~9MPa範囲に達し、Ogdenモデルでより正確な予測が可能です

実務での注意点