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構造解析ツール

梁の撓み・応力解析シミュレーター

単純支持梁・片持梁に対する集中荷重・分布荷重の撓み、曲げモーメント、せん断力をリアルタイムで計算・可視化します。

パラメータ設定
梁の種類
ヤング率 E
GPa
材料剛性(鋼: 200 GPa, Al: 70 GPa)
断面二次モーメント I
断面形状による曲げ剛性 —
梁の長さ L
m
荷重強度 q
kN
等分布荷重(kN/m)
EI (曲げ剛性)
計算結果
最大撓み δ_max
mm
最大モーメント M_max
kN·m
最大せん断力 V_max
kN
曲げ剛性 EI
N·m²
梁モデル — クリックで荷重位置・ドラッグで荷重大きさを操作
クリック: 荷重位置を設定 | 上下ドラッグ: 荷重大きさを変更
変形アニメーション — たわみ振動の可視化
変形量は視覚的に誇張して表示
撓み曲線 w(x)
曲げモーメント M(x)
せん断力 V(x)
理論・主要公式

$$\delta_{\max} = \frac{PL^3}{48EI} \quad (\text{単純支持・中央集中荷重})$$

P:荷重 [N]、L:スパン [m]、E:ヤング率 [Pa]、I:断面二次モーメント [m⁴]

$$\delta_{\max} = \frac{PL^3}{3EI} \quad (\text{片持ち梁・先端集中荷重})$$

片持ち梁は単純支持梁より16倍たわみやすい(同条件比)

$$\sigma_{\max} = \frac{M_{\max}\,c}{I}, \quad M_{\max} = \frac{PL}{4}$$

最大曲げ応力。c:中立軸から端面までの距離 [m]。矩形断面では c = h/2

梁の撓み・応力解析とは

🙋
「梁の撓み」って何ですか?橋とかの「たわみ」のことですか?
🎓
その通り!「撓み」は「たわみ」と読み、荷重がかかった時に梁がどれだけ曲がるかを表すんだ。例えば、人が橋の上を歩くと、橋の床板はほんの少しだけ下にたわむよね。このシミュレーターでは、上の「梁の種類」や「荷重強度」を変えると、そのたわみの形や大きさがリアルタイムで変わるのが見えるよ。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ「曲げモーメント」や「せん断力」って、たわみとどう関係があるんですか?
🎓
いい質問だね。大まかに言うと、「せん断力」は梁をズバッと切る力、「曲げモーメント」はそれをグニャリと曲げようとする力の大きさなんだ。たわみはこれらの力が最終的に作り出す「結果の形」だよ。シミュレーターで「分布荷重」に切り替えて「荷重強度q」を大きくすると、曲げモーメントのグラフの形が変わって、たわみも大きくなるのが確認できる。
🙋
なるほど!で、「ヤング率E」や「断面二次モーメントI」って、現場の設計ではどうやって決めるんですか?
🎓
実務では、材料でEが決まり、梁の断面形状でIが決まるんだ。例えば自動車のフレーム(鋼材、E=210 GPa)と机の天板(木材、E=10 GPa)では、同じ荷重でもたわみが大きく異なる。このツールで「ヤング率E」の値を1/10にしてみると、たわみが10倍になるのがすぐわかる。材料選びの重要性が体感できるね。

よくある質問

撓みの単位はmm、曲げモーメントはN・mm、せん断力はN、応力はMPaです。入力値の単位(長さmm、荷重N、ヤング率MPa)に依存しますので、統一した単位系で入力してください。
はい、同時に設定可能です。梁の任意の位置に集中荷重を追加し、さらに分布荷重を重ね合わせて計算できます。結果は各荷重の影響を線形重ね合わせた値として表示されます。
矩形断面の場合、幅bと高さhをmm単位で入力すると断面二次モーメントIが自動計算されます。円形断面の場合は直径dを入力してください。任意断面の場合はIの値を直接入力することも可能です。
断面寸法を大きくする、ヤング率の高い材料に変更する、梁の支持点を追加してスパン長を短くする、または荷重を低減することを検討してください。シミュレーターで各パラメータを変更し、リアルタイムに効果を確認できます。

実世界での応用

建築・土木構造物の設計:ビルの床スラブや橋桁の設計では、許容されるたわみ(例えばスパンの1/500以下など)を満たすように、材料(E)と断面(I)を決定します。過大なたわみはひび割れの原因となり、居住者の不安感にもつながります。

機械部品の強度検証:工作機械のアームや自動車のサスペンションアームなど、片持梁としてモデル化できる部品は多くあります。繰り返し荷重による疲労破壊を防ぐため、曲げ応力が材料強度を超えないことをこの理論で確認します。

家具・日用品の開発:本棚の棚板やベッドのフレームが、本や人の体重でたわまないかどうかの簡易検討に使われます。木材や樹脂など様々な材料の特性(E)を考慮し、適切な厚みや補強リブの設計に応用されます。

CAE解析の結果検証:複雑な形状のFEM(有限要素法)解析を行う前後に、その一部を単純な梁モデルで近似し、本シミュレーターのような理論解と比較します。これにより、メッシュの細かさや境界条件の設定ミスを発見する「サニティチェック」として活用されます。

よくある誤解と注意点

この手のツールを使い始めるときに、つまずきやすいポイントをいくつか挙げておくよ。まず「ヤング率Eと断面二次モーメントIは独立したパラメータ」と思いがちだけど、実は材料を変えるとEだけでなくIも変わりうるんだ。例えば、鋼(E=210GPa)の角パイプからアルミ(E=70GPa)の角パイプに変える時、強度を保とうとすると肉厚を増やしたり断面サイズを大きくするよね? そうするとIも増えるから、たわみは単純にEが1/3になるから3倍、とはならない。このツールでEを1/3にしたら次にIを2倍にしてみる、といった試行錯誤が現実に近い。

次に、「集中荷重は一点に全てがかかる」というモデルの限界を理解しておこう。実際の世界で「点」で力がかかることはほぼない。例えば機械の部品がボルトで固定されている場合、荷重はボルト穴の周囲に分布している。このシミュレーターで集中荷重P=1000Nとした結果は、現実ではその近傍に高い応力集中が生じることを暗に示している。安全率を考える時は、この「理想化」の部分を頭に入れておく必要がある。

最後に、「たわみが小さければOK」ではないという点。確かに剛性は大事だけど、例えば自動車のサスペンションアームのように、ある程度の柔軟性が衝撃吸収に必要な場合もある。また、片持梁の固定端部ではたわみそのものより、そこに生じる曲げ応力 $\sigma = \frac{My}{I}$(Mは曲げモーメント、yは断面の端までの距離)が材料の降伏強度を超えないかが破壊の直接的な判断基準になる。たわみと応力、両方の視点で結果を見るクセをつけよう。