D = Sa × Ti² / (4π²) [m]
Bf = 1/√(1 + (2ζ·ωn/ω)²) (減衰補正)
建物質量・免震剛性・減衰比・地盤種別を変えながら固有周期・変位・加速度低減率をリアルタイムで計算。設計応答スペクトルと免震周期を重ねて表示します。
超高層マンション・オフィスビル:居住性・事業継続性の向上が目的です。長周期化により、家具の転倒や室内の恐怖感を大幅に低減します。ツールでMを大きく(例えば50000 ton)、Kを調整してTi=5秒程度に設定すると、加速度が如何に小さくなるか確認できます。
データセンター・半導体工場:精密機器の保護が絶対条件です。微小な振動でも製品不良につながるため、免震と制振を組み合わせた高度な設計が行われます。減衰比ζを高く設定して変位を抑制する設計が重要です。
病院・消防署等の災害拠点:大地震直後の機能維持が使命です。免震構造により、精密医療機器や通信設備が震災時でも使用可能になります。シミュレーターで「軟弱地盤」を選び、大きな地震動に対しても建物応答が小さいことを確認する設計検証が行われます。
美術館・博物館:文化財の保護が目的です。収蔵品は一度損傷すると修復が困難です。免震構造は、建物の揺れそのものを低減するため、展示ケース内の収蔵品を直接守る最も確実な方法の一つです。
このツールを使い始めるときに、特に気をつけてほしいポイントがいくつかあるよ。まず「減衰比ζを大きくすれば全て解決」という考え方。確かにζを上げると免震層変位は抑えられるけど、建物に伝わる加速度は逆に少し増加するんだ。ツールでKとMを固定してζだけを0.05から0.30に上げてみて。変位は減るけど、応答点が少し上に移動するでしょ?これは、減衰が大きすぎると地震エネルギーを「熱」として捨てるだけでなく、建物自体を「ブレーキ」で引っ張る効果も出てくるから。実務では、使用する免震アイソレータ(例えば鉛プラグ入り積層ゴム)の特性に合った適切な減衰比の範囲があるから注意してね。
次に「質量M」の捉え方。ツールでは単純に「建物質量」としているけど、実はこれは「固有振動に寄与する有効質量」と考えた方がいい。例えば、建物の全階が同じように揺れるなら全質量だけど、実際の建物では高次モードも存在する。このツールの1質点モデルは、建物全体が剛体のように振る舞う「一次モード」を想定しているんだ。だから、実建物の総重量をそのままMに入れると、実際より長い周期が算出される可能性がある。まずは概算ツールとして使い、詳細検討ではより高度な多質点系解析に進むのが流れだ。
最後に、「設計スペクトル」の盲信。このツールのスペクトルはあくまで標準的なモデルだ。実際の設計では、建設地の特定の断層や過去地震の記録に基づく「サイト特性に応じたスペクトル」を使うことが義務づけられる。ツールで「軟弱地盤」を選ぶと長周期側が盛り上がるけど、実際はもっと複雑な形をしていることが多い。このツールの目的は、パラメータと応答の相関関係の感覚を掴むことで、最終設計値を決めるものじゃないということを頭に入れておこう。
RC造6階建て建物(上部構造質量3500t、減衰比5%)に積層ゴム免震装置(剛性8000kN/m、減衰比18%)を採用した場合、免震層質量400tを設定すると、固有周期は約3.2秒となります。JR東日本の設計応答スペクトル(地震応答倍率0.6)で評価すると、ピーク加速度は0.3m/s²に低減され、免震変位は約280mmです。無免震の同じ建物(固有周期0.8秒)では加速度が1.2m/s²であるため、75%の加速度低減が実現します