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地球科学・地震工学

地震波伝播シミュレーター

P波・S波の地球内部での伝播・反射・屈折をリアルタイムアニメーション。地球の層構造(地殻・マントル・外核・内核)とシャドーゾーンを可視化。

パラメータ設定
震源距離
°
マグニチュード
プリセット
到着時刻
P波
S波
地殻
マントル
外核
内核
計算結果
P波 到着 (s)
S波 到着 (s)
P-S時間差 (s)
なし
シャドーゾーン
-
Magnitude M
-
Energy (J)
地震
理論・主要公式
地震波は各層の境界で屈折します。入射角 i、屈折角 r、速度 v の関係は:
sin(i) / v₁ = sin(r) / v₂
外核(液体)ではS波は消滅し、P波のみが通過します。

地震波伝播シミュレーターとは

🙋
このシミュレーターで「震源距離」のスライダーを動かすと、地球の断面図の左端から波が出てきますね。P波とS波って、どうして形や伝わり方が違うんですか?
🎓
大まかに言うと、波の「揺れ方」が根本的に違うんだ。P波は進行方向にグイグイ押し引きする「縦波」で、S波は進行方向と直角にユサユサ揺れる「横波」だ。上のスライダーで震源距離を小さくして、波が地球の中心を通るようにしてみて。P波は内核までまっすぐ進むけど、S波は液体の外核でストップするのが見えるよね。これが一番の違いだ。
🙋
え、そうなんですか!確かにS波は外核で消えてます。で、画面に「シャドーゾーン」って書いてある影の部分があるけど、あれは何ですか?
🎓
震源から直接の波が届かない「影」の領域だ。例えば、震源距離を103度から142度の間に設定してみて。P波の線が地球の向こう側に回り込まず、外核の内側で屈折してしまうから、地表のこの範囲には直接P波が来ないんだ。これがP波のシャドーゾーン。このシミュレーターでパラメータを変えながら、波の経路がどう変わるか追ってみると面白いよ。
🙋
なるほど!じゃあ、このシャドーゾーンの存在が、地球の外核が液体だって証拠になるんですか?実務の地震観測では、このシミュレーターみたいなことをどう使うんですか?
🎓
その通り!S波が外核を通過できないことと、P波のシャドーゾーンの角度が、外核が液体である決定的な証拠なんだ。実務では、世界中の観測点でP波とS波の到着時間差を測って、このシミュレーターの逆をやる。つまり、観測データから震源の位置や深さ、地球内部の構造を推定するんだ。マグニチュードのスライダーを動かすと波の振幅が変わるけど、実際の地震計の記録もこんな感じで、最初に来る小さな揺れ(P波)と後から来る大きな揺れ(S波)の時間差を分析しているんだよ。

よくある質問

地球内部の層(地殻・マントル・外核・内核)ごとに地震波の速度が異なるため、スネルの法則に従って波が屈折するからです。速度が速い層に入ると屈折角が大きくなり、経路が曲がって見えます。
シャドーゾーンとは、地震波が直接届かない領域のことです。P波は外核で速度が急減して屈折し、S波は液体の外核を通過できないため、特定の震央距離範囲で波が観測されなくなります。
画面上でP波(縦波)は固体・液体両方を伝わり、S波(横波)は固体のみを伝わる様子をアニメーションで観察できます。特に外核でS波が止まる点に注目してください。
いいえ。これは教育用の可視化ツールであり、実際の地震予知には使用できません。地球内部構造と地震波の基本的な伝播原理を理解するためのモデルです。

実世界での応用

震源決定と地震早期警報:複数の観測点でP波とS波の到着時間差を測定し、シミュレーターと逆の計算を行うことで、震源の位置(緯度、経度、深さ)を特定します。また、最初に到達するP波の情報から、後から来る強いS波や表面波の到達前に警報を発するシステムの基礎理論となっています。

地球内部構造の探査(地震学):世界中で観測された地震波の伝播時間と経路を、このシミュレーターのようなモデルと比較することで、地殻、マントル、外核、内核の厚さや密度、弾性特性を明らかにします。シャドーゾーンの存在は外核が液体であることを示す決定的な証拠でした。

地下資源探査(反射法地震探査):人工的に発生させた地震波(主にP波)の地下層からの反射波を記録・解析します。シミュレーターで見た波の反射・屈折の原理を利用して、石油・天然ガスを含む地層や断層の位置・形状を画像化します。

建築物・地盤の耐震設計:特定の地点に到達する地震波の種類(P波、S波、表面波)やその特性(周期、振幅)を理解するために、波動伝播の基礎知識が不可欠です。地盤がS波をどのように増幅するかを評価し、建築物の設計に反映させます。

よくある誤解と注意点

このシミュレーターを使い始めるときに、いくつか気をつけてほしいポイントがあるよ。まず、「波の速度は層ごとに固定」という前提を理解しておこう。実際の地球では、同じマントル内でも深さとともに圧力・温度・密度が変化し、速度は連続的に増加しているんだ。シミュレーターではそれを「層」で簡略化しているから、境界での急激な屈折が強調されて見える。実データではもっと滑らかな経路になることもあるんだ。

次に、「震源距離」と「観測点までの距離」を混同しないこと。シミュレーターの「震源距離」は、震源から見た地表上の点までの角度距離(例えば103度)だ。でも、実際に震源の深さが深いと、波が地表に出てくるまでの経路が変わる。例えば深さ600kmの地震だと、シャドーゾーンの範囲がシミュレーター(震源地表仮定)と変わってくる。常に「震源の深さ」を意識するクセをつけよう。

最後に、振幅(マグニチュード)の変化を過大解釈しないこと。スライダーで振幅を変えられるけど、これは単純化された表示だ。実際の地震波の振幅は、伝わる距離だけでなく、地盤の増幅効果や散乱、減衰によって大きく変わる。シミュレーターでS波の振幅を大きくしても、液体の外核では絶対に伝わらないという根本原理は変わらない。この「伝わるか伝わらないか」の質的な違いに注目するのが学習のコツだね。

使い方ガイド

  1. magSliderでマグニチュード(M4.0~M8.0)を設定し、地震規模による初期エネルギー(10^12~10^18 J)を決定する
  2. distSliderで震源距離(0~180°)を入力し、P波・S波の到着時間を自動計算する
  3. 地球内部の速度不連続面(モホロビチッチ面:深さ35km、マントル上部速度7.8km/s)における反射・屈折を観察し、シャドーゾーン領域の出現を確認する

具体的な計算例

マグニチュード6.5の地震が震源距離80°で発生した場合:P波速度8.0km/s、S波速度4.5km/sを仮定すると、P波到着時間は約668秒(11.1分)、S波到着時間は約1,193秒(19.9分)となり、P-S時間差は525秒となる。エネルギーは10^18.2 J(約158メガトン相当)。外核(液体)を通過するS波は減衰消失し、P波反射波(PP、PcP)がシャドーゾーン103~143°領域で観測される。

実務での注意点