SPC管理図シミュレーター 戻る
解析ツール

統計的工程管理(SPC)シミュレーター

サンプルデータをランダム生成し、X-bar管理図・R管理図・工程能力ヒストグラムを3タブで表示。工程能力指数Cp/Cpkを自動計算し管理外れを検出します。

パラメータ

計算結果
全体平均 X̄̄
平均範囲 R̄
Cp
Cpk
Xbar管理図
容量

理論・主要公式
$$C_p = \frac{USL - LSL}{6\hat{\sigma}}$$ $$C_{pk}= \min\!\left(\frac{USL-\bar{\bar{x}}}{3\hat{\sigma}},\;\frac{\bar{\bar{x}}-LSL}{3\hat{\sigma}}\right)$$

$\hat{\sigma}=\bar{R}/d_2$(範囲法)
目標: $C_{pk}\geq 1.33$

SPC管理図ってどんなもの?

🙋
工場で「管理図を毎時間打刻してください」と言われたとき、何を確認しているのですか?
🎓
管理図は、工程が統計的に安定して動いているかを時系列で見るための道具です。サブグループ平均をX-bar管理図に、ばらつきをR管理図に表示し、管理限界を超える点や連続した偏りを確認します。
🙋
CpやCpkとは何が違いますか?
🎓
管理図は工程の安定性、Cp/Cpkは規格幅に対する工程能力を見ます。工程が安定していても規格が狭ければCpkは下がりますし、Cpkが良くても管理図に異常パターンがあれば先に工程状態を見直します。
🙋
R管理図はどんなときに役立ちますか?
🎓
R管理図はサブグループ内のばらつきを見ます。工具摩耗や設備状態の変化でばらつきが増えると、平均値が大きく動く前にR管理図が先に反応することがあります。

管理限界の計算式

X-bar管理図の中心線と上下管理限界は、全サブグループ平均の平均値と平均範囲から計算します。

$$CL_{\bar{X}} = \bar{\bar{x}}, \quad UCL_{\bar{X}} = \bar{\bar{x}} + A_2 \bar{R}, \quad LCL_{\bar{X}} = \bar{\bar{x}} - A_2 \bar{R}$$

$A_2$ はサブグループサイズ $n$ で決まる定数です。

R管理図の管理限界は、平均範囲と定数 $D_3, D_4$ で表します。

$$CL_R = \bar{R}, \quad UCL_R = D_4 \bar{R}, \quad LCL_R = D_3 \bar{R}$$

工程標準偏差の推定には $\hat{\sigma}=\bar{R}/d_2$ を使い、工程能力指数を計算します。

工程能力指数

Cpは規格幅と工程ばらつきの比、Cpkは工程平均の中心ずれも含めた実力値です。

$$C_p = \frac{USL - LSL}{6\hat{\sigma}}$$ $$C_{pk}= \min\left(\frac{USL-\bar{\bar{x}}}{3\hat{\sigma}},\;\frac{\bar{\bar{x}}-LSL}{3\hat{\sigma}}\right)$$

一般には $C_{pk}\geq1.33$ が一つの目標値として使われます。

実際の応用例

自動車部品製造:寸法をサブグループ単位で抽出し、X-bar管理図で平均のずれ、R管理図でばらつきの増加を監視します。

半導体製造:膜厚や線幅の小さなシフトを管理図で早期に検出し、歩留まりが悪化する前に条件を調整します。

食品充填:充填量の平均とばらつきを同時に見て、過充填によるコスト増と過少充填による規格外を抑えます。

よくある質問

管理限界は工程の自然なばらつきから統計的に決まる境界で、規格限界は顧客や設計が求める仕様の境界です。管理限界内でも規格外になる場合があります。
実務では n=4〜5 がよく使われます。同じ設備、同じ条件、近い時間帯で作られたものを1つのサブグループにすることが重要です。
実務では中心ずれを含むCpkを重視します。Cpが高くても平均が規格中心からずれていると、Cpkは低くなります。
中心線の片側に点が連続する、単調増加や単調減少が続く、といった連や傾向も重要です。管理限界内でも工程変化の前兆として扱うことがあります。

注意点

このシミュレーターは学習・概算用です。実務では測定システムのばらつき、ロット差、非正規分布、時系列相関、工程変更履歴を含めて評価してください。

使い方ガイド

  1. USL(上側規格限界)とLSL(下側規格限界)を入力。例:φ10mm±0.1mmの場合、USL=10.1、LSL=9.9
  2. サンプル数nVal(通常n=5)と群数kVal(k=20以上推奨)を設定
  3. 工程平均muVal(μ)と標準偏差を入力し、X-bar管理図とR管理図の管理限界を自動計算
  4. Cp指数(規格幅に対する能力)とCpk指数(中心ズレを考慮)で工程能力を評価

具体的な計算例

自動車部品の穴径加工:USL=φ10.05mm、LSL=φ9.95mm、規格幅0.10mm。n=5、k=25群のデータから平均μ=10.00mm、標準偏差σ=0.018mmを得た場合、Cp=(10.05-9.95)/(6×0.018)=0.926。中心が規格内でもCp≦1.33は要改善。さらにμが9.98mmにズレていればCpk=min((10.05-9.98)/(3×0.018), (9.98-9.95)/(3×0.018))=0.58となり、重大な工程改善が必要。

実務での注意点