青: 垂直応力 / オレンジ: せん断応力(対称のため上三角のみ入力)
\(I_1=\sigma_{xx}+\sigma_{yy}+\sigma_{zz}\)(第1不変量)
Von Mises: \(\sigma_{vm}=\sqrt{\tfrac{(\sigma_1-\sigma_2)^2+(\sigma_2-\sigma_3)^2+(\sigma_3-\sigma_1)^2}{2}}\)
3次元応力テンソルの6成分を入力し、主応力・Von Mises応力・Tresca応力を即時計算。3Dモール円・応力要素図・降伏マージンをタブで可視化します。
青: 垂直応力 / オレンジ: せん断応力(対称のため上三角のみ入力)
\(I_1=\sigma_{xx}+\sigma_{yy}+\sigma_{zz}\)(第1不変量)
Von Mises: \(\sigma_{vm}=\sqrt{\tfrac{(\sigma_1-\sigma_2)^2+(\sigma_2-\sigma_3)^2+(\sigma_3-\sigma_1)^2}{2}}\)
任意の応力テンソルから主応力を求めるには、テンソルの固有値問題を解きます。固有方程式を展開すると3次方程式になります:
$$\sigma^3 - I_1\sigma^2 + I_2\sigma - I_3 = 0$$応力不変量は \(I_1 = \sigma_{xx}+\sigma_{yy}+\sigma_{zz}\), \(I_2 = \sigma_{xx}\sigma_{yy}+\sigma_{yy}\sigma_{zz}+\sigma_{zz}\sigma_{xx} - \tau_{xy}^2 - \tau_{yz}^2 - \tau_{zx}^2\), \(I_3 = \det(\boldsymbol{\sigma})\) です。
主応力 \(\sigma_1 \ge \sigma_2 \ge \sigma_3\) から、降伏判定のための等価応力を計算します:
$$\sigma_{vm} = \sqrt{\frac{(\sigma_1-\sigma_2)^2 + (\sigma_2-\sigma_3)^2 + (\sigma_3-\sigma_1)^2}{2}}, \quad \tau_{max} = \frac{\sigma_1 - \sigma_3}{2}$$Von Mises基準:\(\sigma_{vm} \le \sigma_y\)(降伏強さ)
Tresca基準:\(\tau_{max} \le \sigma_y/2\)(等価的に \(\sigma_1 - \sigma_3 \le \sigma_y\))
軸の強度設計:回転軸には曲げによる垂直応力とトルクによるせん断応力が同時に作用します。このシミュレーターにσxxに曲げ応力、τxyにねじり応力を入力することで、合成応力状態を正確に評価できます。危険断面でのVon Mises応力が降伏強さを超えないように軸径を決定します。
圧力容器:内圧を受けるシリンダーの胴部には、周方向応力(フープ応力)と軸方向応力が作用します。2軸プリセットを参考に応力を入力し、Von Mises応力と材料の許容値を比較することで板厚設計を行います。
地盤・土木構造:土の中の応力状態を評価し、主応力方向から破壊面の方向を予測するのに使います。3DモールΙの最外円の半径が最大せん断応力で、モール・クーロン破壊基準との比較が可能です。
3次元応力状態は、任意の直交座標系において対称テンソル\(\boldsymbol{\sigma} = \sigma_{ij}\)(\(i,j = x,y,z\))で記述され、6つの独立成分(\(\sigma_{xx}, \sigma_{yy}, \sigma_{zz}, \tau_{xy}, \tau_{yz}, \tau_{zx}\))により完全に定義されます。座標変換に伴う応力テンソルの成分変化は、方向余弦\(l_{ij}\)を用いて\(\sigma'_{pq} = l_{pi} l_{qj} \sigma_{ij}\)と表され、この変換則により主応力\(\sigma_1, \sigma_2, \sigma_3\)(\(\sigma_1 \geq \sigma_2 \geq \sigma_3\))が固有値問題\(\det(\boldsymbol{\sigma} - \sigma \boldsymbol{I}) = 0\)の解として得られます。主応力から、せん断変形の指標であるTresca応力は\(\sigma_{\text{Tresca}} = \sigma_1 - \sigma_3\)、またエネルギー基準に基づくVon Mises応力は\(\sigma_{\text{VM}} = \sqrt{\frac{1}{2}[(\sigma_1 - \sigma_2)^2 + (\sigma_2 - \sigma_3)^2 + (\sigma_3 - \sigma_1)^2]}\)で計算されます。本シミュレーターはこれらの物理量をリアルタイムで算出し、降伏条件(例:\(\sigma_{\text{VM}} \leq \sigma_Y\))に基づく安全余裕を可視化することで、材料の塑性開始を直感的に評価可能とします。
産業での実際の使用例
航空機産業(例:ボーイング787の主翼結合部)では、複合材と金属の接合部に生じる3軸応力状態を本シミュレーターで即座に主応力変換。設計段階でVon Mises応力を監視し、アルミ合金7075の降伏基準(耐力505MPa)に対するマージンをリアルタイム評価。自動車分野では、トヨタのエンジンブロック鋳造工程で、冷却時の熱応力テンソルを入力し、Tresca応力による割れ危険領域を特定。金型設計の試行錯誤を70%削減した実績があります。
研究・教育での活用
東北大学の材料力学講義では、学生が3Dモール円を操作し、任意切断面の応力ベクトルを可視化。従来の手計算では困難だった「せん断応力が最大となる面の方向」を直感的に理解。研究では、東京工業大学のマグネシウム合金圧延プロセスで、結晶塑性モデルの検証用に応力テンソル変換結果を使用。実験データとCAE予測の乖離を0.5%以内に収める校正ツールとして機能しています。
CAE解析との連携や実務での位置付け
ANSYSやAbaqusの大規模FEM解析後、全要素の応力テンソル6成分をCSV出力し、本ツールで降伏マージンを一括計算。従来はポスト処理に30分要した疲労評価が、即時フィルタリングにより重要箇所のみ抽出可能に。実務では、設計レビューの場で「応力要素図」を共有し、非専門家でも危険方向を把握。ISO 9001の設計検証プロセスにおいて、応力変換のトレーサビリティを担保する補助ツールとして位置づけられています。
「主応力の方向は材料の変形方向と一致する」と思いがちですが、実際は主応力はあくまで「せん断応力がゼロとなる座標軸方向」を指すもので、変形の主軸とは必ずしも一致しません。特に異方性材料では応力とひずみの方向が異なるため、注意が必要です。
「Von Mises応力が降伏応力を下回れば絶対に安全」と思いがちですが、実際は降伏条件は材料の種類や負荷履歴、温度環境に依存します。特に脆性材料では最大主応力基準が適切な場合が多く、Von Mises基準を万能と見なさないように注意が必要です。
「3Dモール円の3つの円すべてが材料の破壊に関係する」と思いがちですが、実際は最大せん断応力は最大円の半径で決まります。Tresca基準では最小円と中間円は直接関係せず、3円すべてを同時に評価すると誤った降伏判定を招く恐れがあるため、注意が必要です。
軟鋼(降伏応力250 MPa)の溶接部に引張応力が作用する場合:σxx=180 MPa、σyy=60 MPa、σzz=0 MPa、τxy=40 MPa、τyz=0、τzx=0を入力すると、主応力σ1≈194 MPa、σ2=46 MPa、σ3=0 MPaが得られ、Von Mises応力は約184 MPa、Tresca応力は194 MPaとなり、安全率は1.36倍と判定されます。