渦放出周波数 f が、構造物自体の固有振動数 f_n に近づくと、流れと構造物の振動が同期して大きく揺れ続ける現象だ。10%以内に近づくと危険信号として警告を出している。タコマ橋の崩壊や、高層ビル・煙突・橋桁・送電線の振動疲労破壊は、多くがこのロックオンが絡んでいる。設計段階で f と f_n を意図的にずらすことが、土木・機械の振動設計の基本なんだ。
よくある質問
使えますが、代表寸法 D の取り方と St の値そのものが形状に依存します。円柱では亜臨界域で St ≈ 0.20、角柱(流れに垂直な辺長を D とする)で約 0.12〜0.13、流線形断面ではより小さくなり場合によっては渦放出が抑制されます。形状ごとに実験データから St の値を引用する必要があります。
St 自体は無次元なので空気でも水でも同じ式が使えます。違いは Reynolds 数の出方で、同じ直径・速度でも空気(ν ≈ 1.5×10⁻⁵ m²/s)の方が水(ν ≈ 1.0×10⁻⁶)より Re が一桁ほど小さくなります。家庭サイズの実験では、空気は層流渦列〜亜臨界、水は亜臨界域に入りやすい傾向があります。
主な対策は3つあります。① 構造物の固有振動数 f_n を設計風速での渦放出周波数 f から十分離す。② ヘリカルストレーキ(らせん状のひれ)を煙突表面に付け、渦放出のスパン方向のコヒーレンスを乱す。③ 制振装置(ダンパー)で減衰を増やす。最も基本は周波数を離すことですが、改修ではストレーキの追加がよく採用されます。
D/U が「流体粒子が物体を通り過ぎる代表時間」を表すからです。渦放出の時間スケール 1/f を D/U で割ったものが St で、これは物体周りの流れ場が幾何相似なら同じ値を取るべき無次元量です。実際、円柱まわりでは広い Reynolds 数範囲で St がほぼ一定になり、これが「相似則」の典型例として扱われます。
実世界での応用
長大煙突・高層ビルの耐風設計:RC造の高い煙突や超高層ビルの円形塔は、設計風速域でカルマン渦による横風振動が問題になります。設計段階で固有振動数 f_n と各風速での渦放出周波数 f を比較し、ロックオンが起きる風速で発散しないか評価します。必要に応じてヘリカルストレーキやチューンドマスダンパーを追加します。