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溶接設計

溶接継手強度計算機(AWS・JIS基準)

AWS D1.1・JIS基準に準拠した溶接継手の強度計算。すみ肉・突合せ溶接の許容荷重・安全率・偏心荷重を瞬時に計算し、継手形状と応力状態を可視化します。

継手条件
継手形式
荷重形式
溶接サイズ w (mm)
mm
溶接長さ L (mm)
mm
母材 Fu (MPa)
MPa
作用荷重 P (kN)
kN
偏心距離 d (mm)
mm
判定: 計算中...
計算結果
のど厚 a (mm)
溶接有効面積 (mm²)
許容せん断応力 (MPa)
許容荷重 P_allow (kN)
安全率 SF
実際のせん断応力 (MPa)
-
load case
溶接継手形状・荷重・応力状態
荷重 vs 安全率
溶接サイズ vs 許容荷重
理論・主要公式

許容せん断応力: $\tau_{allow}= 0.3 F_u$

のど厚: $a = 0.707 \times w$

有効面積: $A_w = a \times L$

許容荷重: $P_{allow}= \tau_{allow} \times A_w$

溶接継手強度計算機(AWS・JIS基準)とは

🙋
「すみ肉溶接の強度」って、どうやって計算するんですか?溶接の長さやサイズを変えると、どれくらい強さが変わるのかイメージがわかなくて…。
🎓
大まかに言うと、「のど」と呼ばれる溶接の最小断面で決まるんだ。このシミュレーターで「溶接サイズ w」と「溶接長さ L」のスライダーを動かしてみて。許容荷重がリアルタイムで変わるのが見えるよ。例えば、サイズを10mmから12mmに増やすと、強度は約1.2倍になるんだ。
🙋
え、そうなんですか!でも、0.3とか0.707って数字はどこから来てるんですか?経験則?
🎓
良い質問だね。0.3は、AWS(米国溶接協会)の規格で決められた安全率を含んだ係数だ。母材の引張強さ $F_u$ の30%を許容せん断応力としている。0.707は、直角二等辺三角形の「のど厚」を求める係数で、溶接サイズ $w$ に $\sin45^\circ$ をかけた値だよ。上のパラメータで $F_u$ を変えてみると、許容応力がどう変わるか確認できる。
🙋
なるほど!で、「偏心荷重」ってオプションもありますけど、あれはどんな時に問題になるんですか?
🎓
実務でよくある、溶接部が「ねじられる」パターンだよ。例えばブラケット(取付金具)に荷重がかかる時だ。シミュレーターで「荷重形式」を『偏心荷重』に切り替えて、「偏心距離 d」を大きくしてみて。同じ荷重でも、溶接部にかかる最大応力が大きく上がるのがわかる。この計算には溶接群の断面二次モーメントが必要で、ツールが自動で計算・可視化してくれるんだ。

よくある質問

有効のど厚aは脚長wに0.707を乗じて計算します(a = 0.707w)。これは45度の溶接断面における最小のど厚を表し、強度計算の基準となります。脚長を大きくすると比例して許容荷重も増加します。
使用する母材の規格に応じた最小引張強さを入力します。例えばSM490材は490MPa、SS400材は400MPaです。実際の材料試験値ではなく、JISやAWS規格に記載された保証値を用いることで安全側の設計が可能です。
偏心荷重は溶接継手に曲げモーメントを生じさせ、応力分布が不均一になります。本ツールでは偏心距離から生じる追加の曲げ応力を計算し、せん断応力と合成した最大応力が許容値を超えないかを自動判定します。
一般的に突合せ溶接は完全溶け込みの場合、母材と同等の強度が得られるため、すみ肉溶接より高い許容荷重が期待できます。すみ肉溶接はのど断面が小さく、応力集中も生じやすいため、設計時には安全率を適切に設定してください。

実世界での応用

鋼構造建築(ビル、橋梁):柱と梁の接合部、ブラケット、筋交いプレートの取付部などのすみ肉溶接強度を確認します。地震荷重などの繰返し荷重を考慮した設計が重要です。

建設機械・重機:油圧シリンダーの取付部、アームのピン接合部、バケットの部品など、大きな動的荷重がかかる部位の溶接設計に使用されます。偏心荷重の評価が特に重要です。

プラント・圧力容器架台:タンクや反応器を支える架台(レッグ、サドル)の溶接部チェックに適用されます。長期にわたる静荷重と、運転時の振動による疲労を考慮します。

輸送機器(トラックフレーム、リフト):車両フレームの補強ブラケット、リフト装置のアーム溶接部など、衝撃荷重を受ける部位の設計検証に活用されます。材料の $F_u$ を正しく設定することが鍵です。

よくある誤解と注意点

このツールを使い始める際、特に初心者が陥りがちな落とし穴がいくつかあります。まず第一に、「溶接サイズwは大きくすればするほど良い」という誤解。確かに強度は上がりますが、過大な溶接は母材に過度の熱入力を与え、変形や残留応力を大きくする原因になります。例えば板厚12mmの母材に15mmの溶接サイズは過剰で、設計指針では一般に板厚より1〜2mm小さいサイズが推奨されます。第二に、「計算上の許容荷重がそのまま安全域」と思い込むこと。ツールの係数0.3は規格の安全率を含みますが、実際の施工状態(ビードの凸凹、スラグ巻き込み)は計算通りにはいきません。計算値にさらに1.5〜2倍の実務的な安全率を乗せて考えるのが常識です。第三は、溶接長さLの「有効」の意味を見落とすこと。溶接の始端と終端は品質が不安定なため、例えば計算長さが100mmでも、実際の溶接長さは105mm程度必要です。最後に、偏心荷重計算で溶接群の図心位置を正しく把握できていないケース。L型溶接では図心は直感的な位置からずれ、ツールの可視化をよく確認しないと、最大応力点を見誤ります。

使い方ガイド

  1. 溶接部のタイプ(すみ肉溶接または突合せ溶接)を選択し、のど厚a(mm)と溶接長L(mm)を入力します
  2. 母材の引張強度Fu(MPa)と外部荷重P(kN)を設定し、AWS D1.1またはJIS Z3011基準を指定します
  3. 計算ボタンを押すと、有効面積・許容せん断応力・安全率・実応力が自動算出され、設計基準の適合判定が表示されます

具体的な計算例

SM490B鋼のすみ肉溶接継手:のど厚a=8mm、溶接長L=150mm、引張強度Fu=490MPa、外部荷重P=15kNの場合、溶接有効面積=1200mm²、AWS D1.1基準の許容せん断応力=207MPa、許容荷重P_allow=248.4kN、安全率SF=16.6となり、十分な安全裕度が確保できます。突合せ溶接(完全溶込み)ではFu=490MPaに対し許容応力=245MPaで計算され、すみ肉溶接より高い応力評価が可能です。

実務での注意点