共役熱伝達 — CAE用語解説
共役熱伝達
先生、共役熱伝達(CHT)って普通の熱伝達とどう違うんですか?
普通の熱伝達解析では流体か固体のどちらかを解いて、境界に熱伝達係数hを「与える」んだけど、実際のhは流れの状態によって変わる。共役熱伝達(Conjugate Heat Transfer)は流体のNavier-Stokes方程式と固体の熱伝導方程式を同時に解いて、流固界面で温度と熱流束の連続性を自動的に満たす手法だ。電子部品の冷却、ガスタービンの翼冷却、自動車エンジンブロック——hを仮定できない問題に必須のアプローチだ。
定義
流体と固体を同時に解くって、FEMでできるんですか? CFDのツールが必要ですか?
CFDツールが主役だ。Fluent・STAR-CCM+・OpenFOAMはすべてCHT解析機能を持っていて、流体領域と固体領域を別のメッシュで定義して界面でデータをマッピングしながら連成させる。一体化メッシュで解く強連成と、流体と固体を別々に解いて界面でデータ交換する弱連成の2方式がある。強連成は収束が速いが実装が複雑で、弱連成は既存ソルバーをそのまま使えてFMIでの連携にも向いている。
冷却設計への応用
電子機器の熱設計でCHTをどう使うんですか?
パワー半導体(IGBTやSiC-MOSFET)の放熱設計がわかりやすい例だ。チップが発熱してヒートスプレッダ→サーマルグリス→ヒートシンク→冷却フィン→空気という経路で熱が流れる。CHTではフィン形状と空気流れを同時に解いて、接合温度Tjが最大定格以下になるか確認する。フィンのピッチ・高さ・形状を変えながらパラメトリック最適化すると最高放熱性能の形状が見つかる。データセンターのサーバーラック冷却でも同じアプローチが使われている。
ガスタービンの翼冷却って極限環境ですよね。解析的に追えるんですか?
ガスタービンのHPT(高圧タービン)翼は燃焼ガス温度1600℃以上にさらされるのに、翼の材料耐熱温度は1100℃程度だから内部に冷却空気の迷路構造が設けられている。この冷却構造の効果をCHTで解析するのは最先端技術で、LES(大渦シミュレーション)との組み合わせで高精度化が進んでいる。回転している翼を解析するには回転系のCFDフレームワーク(Moving Reference Frame法)も必要で、計算規模は数千万要素になることもある。
関連用語
熱と流れを同時に解くことで、現実の冷却設計に直結するんですね!
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