ランダム振動 — CAE用語解説
ランダム振動
先生、車載電子機器の振動試験規格に「ランダム振動試験」って書いてあるんですけど、正弦波の振動試験とは何が違うんですか?
正弦波試験は1つの周波数で揺らすけど、実際の走行中は路面のデコボコや風圧で、いろんな周波数の振動が同時にかかるよね。ランダム振動試験はそれを再現するために、広い周波数帯のランダムな波形で同時に加振するんだ。より実環境に近い試験ができるわけだよ。
定義
ランダムな波形って毎回違いますよね? それでどうやって合否判定するんですか?
そこでPSD(パワースペクトル密度)の出番だ。波形は毎回違っても統計的なエネルギー分布は同じになるように制御する。規格にはPSDプロファイル(周波数ごとのG²/Hz値)が指定されてて、振動試験機はそのプロファイルに合うようにランダム加振を生成するんだよ。
構造解析における役割
FEMでランダム振動解析するときって、時刻歴で長時間解くんですか? めちゃくちゃ計算コストかかりそう…
いい質問だね。実はランダム振動解析は時刻歴ではなく、周波数領域で解くのが一般的だ。まず固有値解析で固有振動数とモード形状を求めて、PSD入力に対する各モードの応答を重ね合わせる。時間方向に長い波形を直接解く必要がないから、計算コストは固有値解析+周波数応答計算で済むんだよ。
結果はどうやって見ればいいんですか? 応力のコンターが時刻ごとに変わるわけじゃないですよね?
結果は応力のRMS値(統計的な標準偏差)のコンターで見る。1σ応力で表示されるから、これに3を掛ければ99.7%の確率でその値以下に収まるという見方ができる。Miles式で簡易チェックした値とFEMの結果が概ね合っていれば、モデルの妥当性もある程度確認できるよ。
関連用語
ランダム振動の結果から疲労寿命も出せるんですか?
出せるよ。応答PSDからDirlik法などで応力振幅の確率分布を推定して、S-N曲線と組み合わせて累積損傷度を計算する。ロケットや航空機の搭載機器ではこのフローが標準的で、「振動試験に相当する疲労寿命を解析で保証する」のが設計フローに組み込まれてるんだ。
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