残留応力 — CAE用語解説
残留応力
先生、残留応力って構造解析のレポートでよく出てくるんですけど、外力をかけてないのに応力があるってイメージが湧かなくて…。
身近な例で言うと、焼き入れしたガラスを想像してみて。表面は圧縮、内部は引張の残留応力が入ってる。だから表面の傷には強いけど、深い傷が入ると一気に粉々に割れる。あれが残留応力の効果だよ。
あ、強化ガラスのあれですか! じゃあ金属部品でも同じようなことが起きてるんですね?
そう。溶接後の鋼板だと溶接線付近に降伏応力レベルの引張残留応力が出ることがある。これが疲労亀裂の起点になったり、応力腐食割れの原因になったりするから、設計上かなり厄介なんだ。
FEMで残留応力を解析するときって、普通の静的解析とどう違うんですか?
大きく違うのは、熱応力解析とセットで弾塑性の材料モデルを使う必要がある点だ。温度が上がって降伏して塑性変形した部分は、冷えても元に戻らない。その「戻れなかった分」が残留応力になるわけだよ。
なるほど、弾性だけだと冷えたら全部元に戻っちゃいますもんね。じゃあ塑性を入れないと残留応力は出ないってことか…。
そのとおり。だから温度依存の降伏応力、線膨張係数、それに相変態がある材料だと変態膨張まで考慮する必要がある。実務では材料データの精度が結果を大きく左右するよ。
残留応力を減らす方法ってあるんですか?
応力除去焼鈍(PWHT)が代表的だね。溶接後に全体を加熱して徐冷することで、クリープ変形によって残留応力を緩和する。CAEではこのPWHT工程もシミュレーションして、どの程度除去できるか予測することがあるよ。
CAE用語の正確な理解は、チーム内のコミュニケーションの基盤です。 — Project NovaSolverは実務者の学習支援も視野に入れています。
CAEの未来を、実務者と共に考える
Project NovaSolverは、残留応力における実務課題の本質に向き合い、エンジニアリングの現場を支える道具づくりを目指す研究開発プロジェクトです。
プロジェクトの最新情報を見る →関連トピック
なった
詳しく
報告