サブストラクチャリング — CAE用語解説
サブストラクチャリング(部分構造法)
航空機の全機モデルが数千万自由度になって、解析が回らないんですけど…何かいい方法ありませんか?
それはまさにサブストラクチャリングの出番だね。航空機なら翼、胴体、尾翼といったコンポーネントごとにモデルを分割して、各部品を「超要素(スーパーエレメント)」として縮退させるんだ。各チームが自分の担当部品だけを管理できるから、モデル管理も楽になる。
定義
「縮退させる」って、具体的には何をしてるんですか?自由度を捨てるってこと?
ざっくり言うと、部品内部の自由度を数学的に消去して、境界の自由度だけに情報を集約する作業だよ。例えば10万自由度の翼モデルを、接合面の数百自由度だけで表現できる。精度を保ちつつ計算コストを劇的に下げられるのがポイントなんだ。
Guyan縮退(静的縮退)
縮退の具体的な方法ってどんなものがあるんですか?
まず基本がGuyan縮退(静的縮退)だ。自由度を「マスター(残す)」と「スレーブ(消す)」に分けて、スレーブの変位をマスターで表現する。剛性行列の縮退式はこうなる。
$\mathbf{K}_{ms}$とか$\mathbf{K}_{ss}$って何を表してるんですか?
$m$がマスター自由度、$s$がスレーブ自由度を示す添え字だよ。$\mathbf{K}_{ss}$はスレーブ同士の剛性、$\mathbf{K}_{ms}$はマスターとスレーブの結合剛性。静的問題なら高精度だけど、慣性力が効く動的問題では質量の表現が不十分になるのが弱点なんだ。
Craig-Bampton法
じゃあ動的問題にはどうすればいいんですか?振動解析とかだと困りますよね?
そこでCraig-Bampton法だ。Guyan縮退の静的モードに加えて、界面を固定した状態での固有モード(固定界面モード)を足し合わせる。こうすると動的挙動もちゃんと表現できる。コンポーネントモード合成(CMS)の標準手法だよ。
$\boldsymbol{\Psi}_s$と$\boldsymbol{\Phi}_f$の違いは何ですか?
$\boldsymbol{\Psi}_s$が静的モード(拘束モード)で境界変位の影響を表す。$\boldsymbol{\Phi}_f$が固定界面固有モードで内部の動的挙動を表す。$\mathbf{q}_f$はその一般化座標だ。固有モードを何次まで取るかで精度と計算コストのトレードオフが決まる。実務では50〜200モードくらいが多いかな。
Nastranでの実装
実際にNastranでサブストラクチャリングってどうやるんですか?設定が複雑そう…
基本の流れはこうだ。
なるほど。まず部品ごとに超要素を作って、それを親モデルに組み込むんですね。部署間でファイルを受け渡しするイメージですか?
そのとおり。航空機メーカーでは翼チームがSE(超要素)ファイルを出して、全機統合チームがそれを組み立てて全機解析する。詳細メッシュは各チームのローカルに残るから知的財産の保護にもなる。自動車業界でもサプライヤーからSEでモデルを受け取るケースが増えているよ。
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