ひずみ速度依存塑性
ひずみ速度依存塑性の理論基礎
ひずみ速度依存塑性
先生、ひずみ速度で降伏応力が変わるんですか?
金属は高速で変形すると降伏応力が上昇する。衝突($\dot{\varepsilon} = 10 \sim 1000$ /s)では静的な降伏応力の1.2〜1.5倍。
代表的なモデル
| モデル | 式 | 用途 |
|---|---|---|
| Cowper-Symonds | $\sigma_Y(1+(\dot{\varepsilon}/C)^{1/p})$ | LS-DYNA MAT_24。最も一般的 |
| Johnson-Cook | $\sigma(1+C\ln\dot{\varepsilon}^*)$ | 高速変形+温度 |
| Perzyna | $\dot{\varepsilon}^p = \gamma(f/\sigma_0)^n$ | 過応力モデル |
Cowper-Symondsが最も広く使われますか?
自動車衝突のLS-DYNA MAT_24ではCowper-Symondsが標準。鋼(軟鋼)の代表パラメータ:$C = 40$ /s, $p = 5$。
まとめ
粘塑性の基礎:Perzyna則
Piotr Perzynaは1963年にポーランド科学アカデミーで、塑性ひずみ速度がoverstress(現在応力と静的降伏応力の差)の関数となる粘塑性モデルを定式化した。ε̇ₚ=γ⟨f(σ,κ)/k⟩ⁿという関係式で、クリープと動的塑性を統一的に扱える。この「Perzyna粘塑性」は高速変形解析の理論的出発点となっている。
ひずみ速度依存塑性の数値計算手法
FEM設定
LS-DYNA MAT_24:
```
*MAT_PIECEWISE_LINEAR_PLASTICITY
$ ..., C, p
, , , , , , 40., 5.
```
```
*RATE DEPENDENT, TYPE=POWER LAW
D, p $ Cowper-Symonds
```
または:
```
*RATE DEPENDENT, TYPE=JOHNSON COOK
C, eps0
```
まとめ
Cowper-Symonds式の同定
Cowper-Symonds式σy=σ₀[1+(ε̇/D)^(1/q)]はひずみ速度依存降伏応力の代表的近似式。軟鋼のD=40.4 s⁻¹、q=5が広く引用されるJones(1989年)の値。Split Hopkinson Bar試験(SHPB)で10²〜10⁴/sのデータを取得し、log-logプロットで傾き1/qとD^(1/q)を最小二乗回帰で求める手順が標準的だ。
ひずみ速度依存塑性の実務適用
実務チェックリスト
爆発物防護設計への応用
IED(即席爆発装置)防護解析では装甲鋼RHA(Rolled Homogeneous Armour)のひずみ速度依存性が設計品質に直結する。LS-DYNAのMAT_024でCowper-Symonds係数を設定し、爆発後1ms以内の変形挙動を予測。NATO STANAG 4569レベル別の防護性能シミュレーションで2010年代から実用精度が検証されている。
ひずみ速度依存塑性のソフトウェア比較
ツール
LS-DYNAのひずみ速度オプション
LS-DYNAでは材料カードのSR(ひずみ速度効果)オプションが多彩。MAT_024のVP(粘塑性フラグ)=0では相当塑性ひずみ速度、VP=1では体積ひずみ速度を使う。MAT_019(STRAIN_RATE_DEPENDENT_PLASTICITY)はPerzyna則を直接実装し、高精度衝撃解析向けに使われる。2023年のR14から効果の表示診断機能が追加された。
ひずみ速度依存塑性の先端研究
先端
結晶塑性とひずみ速度
結晶塑性理論(Crystal Plasticity)ではすべり系ごとにγ̇ᵅ=γ̇₀|τᵅ/gᵅ|^(1/m) sign(τᵅ)でひずみ速度を表現する。速度感度指数mが小さいほど速度非感依存(m→0で理想塑性)に近づく。アルミニウム単結晶のmは10⁻³〜10⁻²程度で、1990年代にPierceらがABAQUS UMATとして実装したのが普及の出発点だ。
ひずみ速度依存塑性のトラブル対応
トラブル
時間増分と速度依存の相互作用
陰解法でひずみ速度依存塑性を解く際、時間増分Δtが大きいとoverstress推定が不正確になり振動収束になる。特に高速衝撃(ε̇>10³/s)では安定限界Δt
関連トピック
なった
詳しく
報告