完全積分 — CAE用語解説
完全積分
先生、FEMの要素設定で「完全積分」と「低次積分」の選択肢が出てくるんですけど、完全積分って何がどう「完全」なんですか?
定義
積分点の数が「完全」ってことですか?
そう、要素の剛性マトリクスに含まれる多項式を正確に積分するのに必要な最小限のGauss積分点を使う手法のことだよ。例えば1次の8節点六面体要素なら2×2×2=8点の積分点を使う。これで剛性マトリクスの被積分関数を誤差なく評価できるんだ。
正確に積分できるなら良いことだらけに聞こえますけど、デメリットもあるんですか?
実はロッキングという厄介な問題がある。特に曲げが支配的な薄板とか、非圧縮に近い材料だと、完全積分要素は実際よりも硬く振る舞ってしまう。薄い鋼板のプレス成形解析で完全積分を使ったら、変形量が実測の半分しか出なかったなんて話は現場でよくあるよ。
構造解析における役割
じゃあ完全積分を使うべき場面と避けるべき場面があるんですか?
厚肉の圧力容器やバルク状の部品みたいに、曲げよりも体積変化が主体の問題では完全積分が安定していて信頼性が高い。逆に薄板や細長いビーム状の構造では、低次積分やB-bar法を使ってロッキングを回避するのが定石だね。
低次積分だとロッキングは起きないんですか?
ロッキングは回避できるけど、今度はアワーグラス(砂時計モード)という変なゼロエネルギーモードが出るリスクがある。完全積分はアワーグラスが出ないのが利点。つまり一長一短なので、問題に応じて使い分けるのが重要なんだ。
関連用語
完全積分まわりでセットで覚えるべき用語を教えてください。
この4つは必ずセットで理解しておこう。
ロッキングと低次積分は完全積分の裏表なんですね。要素選定の判断基準が見えてきました。
要素タイプの選定は解析結果の信頼性に直結するからね。迷ったらまず低次積分+アワーグラス制御を試して、結果を完全積分と比較するのがおすすめだよ。
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