3次元定常熱伝導 — トラブルシューティング

カテゴリ: 伝熱解析 | 2026-02-20
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3次元定常熱伝導 — トラブルシューティング

よくある問題

🧑‍🎓

3D熱伝導解析でよくあるトラブルは何ですか?


1. 接触面のノード不整合

🎓

アセンブリモデルで部品同士の接触面メッシュが一致しない場合、Ansys MechanicalのContact/Targetペアが正しく設定されていないと接触面で温度が不連続になる。


対策: Bonded ContactにThermal Contactを有効化する。接触コンダクタンスは通常10000 W/(m2K)以上に設定して実質完全接触とするか、実測値を入力する。


2. 材料プロパティのスケール

🧑‍🎓

mm単位系で計算するときの注意点は?


🎓

Ansys Mechanical mm系の場合:


物理量SI単位mm単位系
長さmmm
温度K (or degC)K (or degC)
熱伝導率W/(m K)mW/(mm K) → 数値同じ
熱伝達係数W/(m2 K)mW/(mm2 K) → ×10^-6
発熱量W/m3mW/mm3 → ×10^-9
🎓

特に熱伝達係数と発熱密度の換算を間違えやすい。h=10 W/(m2K) は mm系で 10e-5 mW/(mm2K) = 0.00001 だ。ここを間違えると温度が3桁ずれる。


3. メッシュ不足による温度場の不自然さ

🎓

温度コンターに等温線のジグザグが見える場合は要素が粗すぎる。TET4要素は特に粗いメッシュで階段状の温度分布になりやすい。TET10に切り替えるか、メッシュを細かくする。


🧑‍🎓

TET4は本当にダメなんですね。


🎓

温度のTET4は構造のTET4ほど問題にならないが、温度勾配熱流束)の精度が著しく低いので推奨しない。TET10をデフォルトにすべきだ。

Coffee Break よもやま話

モデルの対称性利用で計算コスト削減

3D熱解析モデルの計算が収束しない場合、まず対称面を活用して1/2や1/4モデルに縮小する。あるターボ機械メーカーでは360度モデルで72時間かかっていた解析を、周期対称境界条件(Abaqusの*CYCLIC SYMMETRYコマンド)を使い1セクターモデルで2時間に短縮した実績がある。

トラブル解決の考え方

「解析が合わない」と思ったら

  1. まず深呼吸——焦って設定をランダムに変えると、問題がさらに複雑になる
  2. 最小再現ケースを作る——3次元定常熱伝導の問題を最も単純な形で再現する。「引き算のデバッグ」が最も効率的
  3. 1つだけ変えて再実行——複数の変更を同時に行うと、何が効いたか分からなくなる。科学実験と同じ「対照実験」の原則
  4. 物理に立ち返る——計算結果が「重力に逆らって物が浮く」ような非物理的な結果なら、入力データの根本的な間違いを疑う
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