ブリネルは「大きい球で大きく押し込む」のが特徴だ。直径10mmのタングステンカーバイド球に3000kgf(約29.4kN)の荷重をかけて、できた数mmの圧痕の直径 d を顕微鏡で測る。シミュレーターの初期値(F=29420N、D=10mm、d=4mm)はちょうど典型的な鋼材のテスト条件だよ。HBW≈229と出ているね。
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圧痕径 d を動かすと HBW が大きく変わりますね。d を 3mm にすると硬さがぐっと上がる。
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そう、同じ荷重なのに圧痕が小さい=硬い、ということ。式 $\mathrm{HBW}=0.102\cdot 2F/(\pi D(D-\sqrt{D^2-d^2}))$ の分母は球冠面積。圧痕が浅いと面積が小さく、荷重を割った値(応力)が大きく出る。だから d を測れば硬さがわかるんだ。下のグラフで d/D を動かすと、HBW が指数的に下がっていくのが見えるだろう。
圧痕は球冠(球の一部)の形をしており、その表面積は厳密に πDh(D:球径、h:圧痕深さ)で与えられます。投影円面積 πd²/4 ではなく球冠面積を使うのがブリネル流で、これにより球の押し込み量に対する荷重比が幾何学的に明確な意味を持ちます。h を測るのは難しいので、d を測って h = (D−√(D²−d²))/2 で換算します。
かつては焼入れ鋼球(HBS)が使われていましたが、450 HB を超える硬い材料では鋼球自体が変形して誤差が出ました。タングステンカーバイド球(HBW)は弾性係数と硬さが高く、最大 650 HB 程度まで安定して測定できます。現行の ISO 6506 や JIS Z 2243 ではタングステンカーバイド球が標準で、表記も HBW に統一されています。
読み取り顕微鏡で、互いに直交する2方向の直径を測り、その平均を d として採用します。圧痕が楕円状になる場合(試料表面が傾いていたり、異方性がある場合)に2方向の差が大きければ、試料の再準備が必要です。最近は光学画像処理による自動測定機も普及しており、エッジ検出で正確な d が得られます。
あります。試料厚さは圧痕深さの10倍以上が必要で、これより薄いと裏面の硬い土台や弾性床の影響を受けます。圧痕の中心は試料端から d の2.5倍以上、隣接圧痕の中心同士は d の3倍(鋼は4倍)以上離す必要があります。これらが守られないと塑性場が干渉して HBW が変動します。