CFDメッシュ品質計算機 戻る
流体解析

CFDメッシュ品質指標計算機

アスペクト比・スキューネス・直交性をリアルタイム計算。OpenFOAM・ANSYS Fluent・Star-CCM+の許容範囲と比較してメッシュ品質を即座に評価。

パラメータ設定
要素タイプ
プリセット
アスペクト比 AR
推奨: <5(一般), <100(境界層)
スキューネス S
0=理想、<0.85=許容(Fluent基準)
直交性角 θ [°]
°
0°=完全直交、<70°=許容(OpenFOAM)
スムースネス比
隣接要素サイズ比、<1.2 推奨
膨張比 ER
境界層膨張比、1.05〜1.2 推奨
計算結果
1.00
アスペクト比 AR
0.00
スキューネス S
1.000
直交性 cos θ
1.00
スムースネス比
1.00
膨張比 ER
100
総合スコア / 100
要素形状プレビュー(品質カラー)
品質レーダーチャート
ソフトウェア別許容範囲
指標OpenFOAMFluentStar-CCM+
スキューネス<0.85<0.85<0.85
アスペクト比<1000<100<1000
非直交性 [°]<70<85
直交性品質>0.01>0.1>0.1
スムースネス<1.2<1.2<1.15
膨張比<1.3<1.2<1.2
総合判定: 優良
理論・主要公式

スキューネス(等角):

$$S = \frac{\theta_{max}- \theta_{equi}}{180 - \theta_{equi}}$$

$\theta_{equi}$: 理想等角(三角形=60°、四辺形=90°)

アスペクト比: $AR = L_{max}/ L_{min}$

直交性: $Q_{orth}= \cos\theta$(面法線とセル重心ベクトルのなす角)

総合スコア: 各指標を0〜100に正規化して加重平均

CFDメッシュ品質指標とは

🙋
メッシュ品質って、何でそんなに重要なんですか?ただの計算の「下準備」じゃないんですか?
🎓
大まかに言うと、メッシュの「形の悪さ」がそのまま計算結果の「信用度」を決めるんだ。例えば、自動車の空力解析で、ボンネット上のメッシュが極端に歪んでいると、そこでの圧力分布がガタガタになって、実際の流れを全然再現できなくなるよ。このシミュレーターのレーダーチャートで、5つの指標が一気に赤くなったら、それは「このメッシュで計算しても意味ないかも」という警告だね。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ、上の「スキューネス」のスライダーを動かすと、具体的にどんなメッシュになるんですか?
🎓
スキューネスが大きい(例えば0.9に近い)メッシュは、四角形が菱形や、三角形が細長くつぶれた形になる。実務で多いのは、複雑な形状を無理やりメッシュで埋めた時にできる「変形要素」だ。こういう要素があると、Navier-Stokes方程式を離散化する時の「勾配計算」が大きく狂って、圧力や速度が振動する原因になる。ツールで値を変えると、レーダーチャートのスパイクが伸びて、視覚的に「まずい」とわかるようになってるよ。
🙋
「アスペクト比」と「膨張比」って似てますけど、何が違うんですか?両方とも「大きさの違い」ですよね?
🎓
良い質問だ!アスペクト比は「1つのセル内での」最大辺と最小辺の比だ。例えば、境界層を表現する細長い六面体メッシュは、意図的にAR=1000とかになる。一方、膨張比は「隣り合うセル同士の体積の急激な変化」を表す。これが大きいと、流れ場の物理量(温度や圧力)がセル境界で不連続になり、計算が発散しやすくなる。シミュレーターで両方を別々に動かして、レーダーチャートの反応を見比べてみると、その違いがよく分かるはずだ。

よくある質問

アスペクト比は、メッシュ要素の最長辺の長さを最短辺の長さで割った値です。1に近いほど理想的な正方形や立方体に近く、値が大きいほど細長い要素となります。OpenFOAMでは一般的に10以下、ANSYS Fluentでは5以下が推奨されます。
スキューネスが高いと、要素内の角度が理想形状から大きくずれるため、数値計算の離散化誤差が増大します。特に勾配計算や拡散項の精度が低下し、解の発散や非物理的な振動を引き起こす原因となります。目安として0.8以上は修正が必要です。
本ツールはOpenFOAM、ANSYS Fluent、Star-CCM+の3つの主要ソルバーに対応しています。各ソルバーが推奨するアスペクト比、スキューネス、直交性の許容範囲と自動比較し、メッシュ品質を「良好」「注意」「要修正」の3段階で評価します。
直交性が悪い場合は、メッシュのスナップ処理やレイヤー設定を見直してください。具体的には、境界層メッシュの成長率を小さくする、スムージング反復回数を増やす、または六面体メッシュの場合はブロック分割を調整してセル面が流れ方向に直交するよう改善します。

実世界での応用

自動車・航空機の外部空力解析:車体や翼表面の境界層メッシュでは、高アスペクト比の細長い要素が使われます。しかし、ボディ角部などではスキューネスが大きくなりがちで、ここをチェックしないと抗力係数(Cd値)の予測精度が大幅に低下します。

電子機器の熱流体解析:ヒートシンクのフィン間やICチップ周りは、幾何形状が複雑でメッシュ品質が悪化しやすい領域です。膨張比が急激に変化するメッシュでは、熱伝達率の計算が不安定になり、過大または過小評価されるリスクがあります。

化学反応を伴う燃焼解析:反応が起こる火炎面近傍では、濃度や温度の勾配が非常に急峻です。ここでの直交性の悪いメッシュ(スキューネス大)は、種々の輸送方程式の離散化を歪め、反応速度や火炎伝播速度の計算を誤らせます。

CAEソフトウェアとの連携:OpenFOAMの`checkMesh`、ANSYS FluentのMesh Quality Report、Star-CCM+のMesh Diagnosticsは、本ツールと同様の指標を計算・警告します。高品質メッシュは、ソルバーの収束性を向上させ、より信頼性の高い結果を短時間で得るための必須条件です。

よくある誤解と注意点

まず、「レーダーチャートが全部緑なら完璧」という誤解があります。実は、解析の種類や領域によっては、ある指標を意図的に悪くすることがあります。例えば、航空機の翼まわりの境界層解析では、壁面に垂直方向に極端に細長いメッシュ(アスペクト比1000以上)を使います。これは物理現象を正しく捉えるための「戦略的な悪化」です。ツールの許容範囲はあくまで一般的な目安。最終的には「何を計算したいか」で判断しましょう。

次に、「ツールでチェックしたから大丈夫」という過信。このツールはメッシュの「幾何学的な品質」を見ていますが、それだけでは不十分な場合があります。例えば、衝撃波が発生する超音速流れでは、流れ方向に対して十分に細かいメッシュ解像度(これはツールの指標では測れない)がなければ、衝撃波の位置がずれてしまいます。幾何学的品質と物理的解像度、両方のバランスが肝心です。

最後に、局所的な悪い要素の見落とし。全体の平均値は良くても、流れの重要な部分(例えば、自動車のドアミラー後方の剥離点)にひとつだけ「スキューネス0.9」の悪い要素が混じっていると、そこから誤差が増幅され、全体の流れ場をダメにすることがあります。ツールで指標を計算した後は、数値が悪い要素が「どこに」存在するかを必ず可視化して確認する習慣をつけましょう。