Norton則でクリープひずみ速度を計算し1次〜3次クリープ曲線をリアルタイム可視化。Larson-Millerパラメータで破断寿命を予測。316SS・Inconel718・アルミ合金の3材料で比較。
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高温・一定荷重下で試験片が 1次(遷移)→ 2次(定常)→ 3次(加速) クリープを経て破断するまでを実時間で可視化。応力 σ や温度 T を上げるとクリープ速度 ε̇ が増し、破断寿命 t_r が短縮します(Norton則・Larson-Miller)。
$$\dot{\varepsilon} = A \sigma^n \exp\!\left(-\frac{Q}{RT}\right)$$
Norton-Arrhenius クリープ則:$n$ はクリープ指数、$Q$ は活性化エネルギー(J/mol)、$R$ は気体定数。応力 $\sigma$ と温度 $T$ がともに定常クリープ速度を増大させます。
$$P_{LM} = T(C + \log t_r)$$
Larson-Miller パラメータ:温度 $T$(K)と破断時間 $t_r$(h)の組み合わせで破断予測。$T$ が上がれば同じ応力でも $t_r$ は短くなります。
$$\varepsilon_{cr}(t) = \varepsilon_0 + \dot{\varepsilon}_{ss} t$$
一次クリープ後の定常クリープ:初期ひずみ $\varepsilon_0$ に定常速度 $\dot{\varepsilon}_{ss}$ の線形蓄積。
定常クリープ速度はNorton則(べき乗則)で表されます:
$$\dot{\varepsilon}_{ss} = A \sigma^n \exp\!\left(-\frac{Q}{RT}\right)$$$A$: 材料定数、$\sigma$: 応力 [MPa]、$n$: クリープ指数(316SS: 4.5、IN718: 5.0、Al: 3.5)、$Q$: 活性化エネルギー [J/mol]、$R = 8.314\,\text{J/mol·K}$、$T$: 絶対温度 [K]。
3段階クリープの総ひずみ:
$$\varepsilon(t) = \varepsilon_1(1 - e^{-t/\tau_1}) + \dot{\varepsilon}_{ss}\,t + \varepsilon_3(t)$$Larson-Millerパラメータによる破断寿命相関:
$$P = T\left(C + \log_{10} t_r\right)$$$T$: 絶対温度 [K]、$C \approx 20$(材料定数)、$t_r$: 破断時間 [h]。同じ材料では応力 $\sigma$ とパラメータ $P$ の関係が一意になるため、高温短時間試験データから低温長時間の寿命を外挿できます。
航空エンジンのタービン翼:高温・遠心力下でのクリープが主要損傷モードです。IN718のような超合金を使い、数万時間の運転寿命をLMPで管理します。点検間隔の根拠データとなります。
火力発電プラントのボイラー管:高温高圧蒸気に数十年さらされる配管の残余寿命評価にLMPが活用されます。使用済み配管のサンプリング試験で現状把握、延寿命可否を判断します。
化学プラントの反応炉:高温高圧と腐食環境が重なる条件で、クリープと応力腐食割れの複合損傷を評価します。
自動車のターボチャージャー・排気系:高排ガス温度下での耐久性評価にクリープ解析が使われます。熱疲労とクリープの複合条件(クリープ疲労)が重要になります。
「Norton則の指数nが大きいほどクリープ強度が高い」と思いがちですが、実際はn値はひずみ速度の応力依存性の指標であり、材料の強度とは直接関係しません。n値が大きいほど応力変化に対するひずみ速度の感度が高いことを示すため、高応力域での寿命予測が不安定になりやすい点に注意が必要です。
「Larson-Millerパラメータ(LMP)で求めた破断時間は絶対的な値」と思いがちですが、実際はLMPは同一材料・同一熱処理条件での相対比較に有効な経験則であり、異なる材料間の直接比較や、長時間側への外挿には大きな誤差が生じる可能性があります。特に316SSとInconel718ではクリープメカニズムが異なるため、LMPの適用範囲を確認することが重要です。
「1次クリープから3次クリープまで一貫したNorton則で予測できる」と思いがちですが、実際にNorton則が記述するのは定常クリープ(2次クリープ)のみです。本ツールでは便宜的に1次・3次領域も可視化していますが、実際の設計では2次クリープ領域のひずみ速度を基準に寿命評価を行い、3次クリープ域での急激な破断は安全率で考慮する必要があります。
316SS、700℃、応力120 MPaの高温蒸気配管設計:本ツールのNorton則ε̇=A·σⁿ·exp(-Q/RT)ではn=4.5、A=0.2823 h⁻¹·MPa⁻⁴·⁵を適用します。初期クリープ速度は9.95×10⁻⁴ (1/h)、破断寿命は約84時間、1000時間時点の定常クリープひずみは約99.5%です。同条件のInconel 718ではε̇=2.40×10⁻⁸ (1/h)、破断寿命は約2.08×10⁶時間となり、316SSでは過酷すぎる条件であることが分かります。