擁壁の背面に削孔したボアホールにアンカーを挿入し、定着長 L_b の区間でグラウトと地盤がせん断(付着)応力で抵抗します。矢印はボアホール壁面の付着応力(地表向き=引抜きに対する抵抗)を表します。
$$T_{ult}=\pi\,d_h\,L_b\,\tau_b,\qquad T_{allow}=\frac{T_{ult}}{F_s}$$
極限引抜き耐力 T_ult はボアホール周長(π·d_h)に定着長 L_b と付着強度 τ_b を掛けた、定着部側面の一様付着仮定にもとづく値。許容耐力 T_allow は安全率 F_s で割って求める。
$$\text{利用率}=\frac{T}{T_{allow}}\times 100\,[\%],\qquad \text{極限余裕}=\frac{T_{ult}-T}{T}\times 100\,[\%]$$
利用率が100%を超えれば設計荷重 T が許容耐力を上回るNG状態、80〜100%は余裕が少ない領域、50%以下は過大設計の領域。
注意:付着応力は実際には定着長の頭部(地表側)に集中し、下端ほど小さくなる。この一様付着仮定はあくまで設計初期の概算であり、重要構造物では現場引抜き試験で τ_b を補正する。