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電磁気・光学

圧電素子シミュレーター

d33/d31圧電定数から電荷感度・共振周波数・電気機械結合係数を算出。PZT-4・PZT-5H・PVDFのプリセット対応。センサー/アクチュエーター設計を数値でサポート。

材料・寸法設定
材料プリセット
d33 圧電定数
pC/N
d31 圧電定数
pC/N
比誘電率 ε33/ε₀
弾性定数 s11 [pm²/N]
pm²/N
密度 ρ [kg/m³]
kg/m³
素子厚さ t [mm]
mm
電極面積 A [mm²]
mm²
印加電圧 V [V]
V
計算結果
変位 δ₃₃ [nm]
電荷感度 [pC/N]
共振 fr [kHz]
結合係数 k33
周波数
▲ 厚さ vs 共振周波数(d33モード)
▲ 印加電圧 vs アクチュエーター変位(d33 / d31比較)
理論・主要公式

アクチュエーター変位(厚み方向):

$$\delta_{33}= d_{33}\cdot V$$

電荷感度:$S_q = d_{33}\cdot A_e$

共振周波数(厚み振動):

$$f_r = \frac{1}{2t}\sqrt{\frac{1}{\rho \cdot s_{33}^E}}$$

電気機械結合係数:

$$k_{33}^2 = \frac{d_{33}^2}{\varepsilon_{33}^T \cdot s_{33}^E}$$

圧電素子シミュレーターとは

🙋
このシミュレーターで「d33」と「d31」って何が違うんですか?どっちを大きくすればいいんでしょう?
🎓
大まかに言うと、変位の向きが違うんだ。d33は電圧をかけた方向(厚み方向)に伸び縮みする能力、d31は横方向に膨らんだり縮んだりする能力だよ。例えば、インクジェットプリンタのノズルを高速で動かすようなアクチュエーターにはd33モードが使われるね。シミュレーターの「プリセット」でPZT-4とPZT-5Hを選んでみて?d33の値が大きく変わるのがわかるよ。
🙋
え、そうなんですか!「電荷感度」って、センサーとして使う時の性能ということですか?
🎓
その通り!圧力や振動を電気信号に変えるセンサーとしての「感度」だ。数式は $S_q = d_{33}\cdot A_e$ で、電極面積 $A_e$ が大きいほど、またd33が大きいほど感度が上がる。実務では、AE(アコースティック・エミッション)センサーで材料のき裂を検知する時などに重要だね。上の「電極面積A」のスライダーを動かしてみて、電荷感度がどう変わるか確かめてごらん。
🙋
「共振周波数」も計算されてますね。これは何に使うんですか?
🎓
これは超音波やフィルター設計の肝になる数値だよ。圧電素子は特定の周波数で大きく振動する(共振する)性質があって、超音波洗浄機や医療用の超音波プローブはこの共振点で動かすんだ。シミュレーターでは「素子厚さt」を変えると共振周波数が大きく変わるのがわかる。薄くすれば高周波、厚くすれば低周波になる。確認してみて!

よくある質問

PZT-4は高電圧・高出力アクチュエーター向けで機械的Qが高く、PZT-5Hは高感度センサー向けでd33定数が大きいです。PVDFは柔軟性があり、薄膜センサーや広帯域応用に適しています。各プリセットは代表的な物性値(密度、弾性コンプライアンス、圧電定数)を自動設定します。
d33は厚み方向の変位・電荷感度を計算する際に使用します。d31は面内方向の伸縮を利用する場合(例:バイモルフアクチュエーター)に必要です。センサー設計ではd33が電荷感度に直接寄与し、アクチュエーター設計ではd33が厚み変位、d31がたわみ変位の計算に使われます。
計算式は単純な厚み振動モードを仮定しており、実際の素子では電極の質量、接着層、支持条件、温度変化などの影響を受けます。また、材料の密度や弾性コンプライアンスの値は製造ロットや分極処理条件で変動するため、プリセット値は代表値である点にご注意ください。
理論上、k²は電気エネルギーと機械エネルギーの変換効率を表すため、0から1の範囲に収まります。1を超える値が表示された場合は、入力した圧電定数や弾性定数、誘電率の組み合わせに矛盾がある可能性があります。特に単位系(SI単位)が統一されているかご確認ください。

実世界での応用

超音波デバイス:医療用の超音波診断装置の探触子(プローブ)や、工業用の超音波洗浄機・加工機の振動子に使用されます。シミュレーターで計算する共振周波数が、発生させる超音波の周波数設計に直結します。

精密位置決めアクチュエーター:半導体製造装置や走査型プローブ顕微鏡(SPM)のステージなど、ナノメートルレベルの精密な位置決めを実現します。d33モードのスタック型素子が用いられ、印加電圧に対する変位($\delta_{33}$)の関係が設計の基礎となります。

センサー:エンジン燃焼圧力センサーや、構造物の健全性を監視するAE(アコースティック・エミッション)センサーとして利用されます。ここで計算する「電荷感度」が、どれだけ微小な物理量を検知できるかの指標になります。

MEMS/エネルギー収穫:微小な振動エネルギーを電力に変換するパイズエレクトリック・ハーベスティングデバイスや、MEMSスイッチなどに応用されます。d31モードを用いた薄膜型素子が多く、材料の選択と構造設計が重要です。

よくある誤解と注意点

このシミュレーターを使い始める時、いくつか気をつけないと設計が実際とズレてしまうポイントがあるよ。まず第一に、「d33の値が大きければ常に良いアクチュエーター」というのは誤解だ。確かにd33が大きいと小さな電圧で大きな変位が得られるけど、同時に材料が「柔らかい」傾向にあるんだ。例えば、PZT-5Hはd33が大きい代わりに剛性が低く、大きな力を出す(ブロック力を高める)用途には向かない。逆にPZT-4はd33は少し小さいけど硬くて力強い動作が可能。用途に応じて「変位重視」か「力重視」かで材料を選ぶことが大事だね。

次に、共振周波数の計算は「自由振動」が前提ということを忘れないで。シミュレーターで出てくる $$f_r = \frac{1}{2t}\sqrt{\frac{1}{\rho \cdot s_{33}^E}}$$ は、素子が何にも固定されていない理想状態の式だ。実際には接着剤で固定したり、ホルダーに挟み込んだりするから、共振周波数は計算値より低くなる。例えば、計算で100kHzが出ても、実測では80kHzになることも珍しくない。余裕を持った設計を心がけよう。

最後に、電荷感度Sqは「ノイズ」とセットで考える指標だということ。感度が高いほど微小信号を検知できるけど、同時に外部の電気的ノイズも拾いやすくなる。特にPVDFのような高インピーダンス材料を使うセンサーでは、配線のシールドやアンプの入力インピーダンスの選定が特に重要。シミュレーターで「感度が十分だ!」と喜ぶ前に、信号処理系全体のノイズフロアを考えた設計が必要だよ。