応力緩和 — CAE用語解説
応力緩和
ゴムのシールを長期間圧縮したまま使っていたら、反発力が落ちてシール性能が低下したんですけど、これって応力緩和ですか?
まさにそう。応力緩和は「変形量を一定に保ったまま時間が経つと、応力(反発力)が徐々に低下する」現象だよ。ゴムのOリングやガスケットでは長期使用中にこれが進行して、面圧が下がって漏れの原因になる。自動車のエンジンヘッドガスケットでも同じ問題が起きるんだ。
定義
応力緩和とクリープって似てますよね。何が違うんですか?
どちらも粘弾性の時間依存現象だけど、制御される量が逆なんだ。クリープは「一定応力で変形が増加」、応力緩和は「一定変形で応力が減少」。同じ材料の粘弾性特性(Prony級数)で両方を記述できるけど、試験方法も応用場面も異なる。ボルトの軸力低下は応力緩和、高温配管の変形増大はクリープだね。
構造解析における役割
FEMで応力緩和をどうやってシミュレーションするんですか?
粘弾性材料モデル(Prony級数)を使う。緩和弾性率G(t) = G∞ + ΣG_i·exp(-t/τ_i) を入力して、変位を拘束した状態で長時間の非定常解析を実行する。AbaqusならVISCOオプション、Ansys Mechanicalなら粘弾性材料を設定する。タイムステップを対数的に増やすと長時間の緩和挙動を効率的に計算できるよ。
応力緩和は時間依存問題だから、非定常解析で解く必要がある。
温度が高いと応力緩和は速くなりますか?
格段に速くなる。ゴム材料ではWLF(Williams-Landel-Ferry)式で温度-時間の換算ができる。例えば室温で10年かかる緩和が80℃なら数日で起きたりする。これを利用して加速試験で長期耐久性を短時間で評価するんだよ。
関連用語
応力緩和の関連概念を教えてください。
クリープと粘弾性はコインの裏表。Prony級数は数値実装の鍵だよ。
Oリングのシール設計で応力緩和を考慮しないと漏れるリスクがあるんですね。長期信頼性の解析、やってみます。
ゴムメーカーからProny級数のパラメータがもらえない場合は、応力緩和試験のデータからカーブフィッティングで自分で同定する必要がある。試験条件(温度、圧縮率)を実使用に合わせることが精度のポイントだよ。
CAE用語の正確な理解は、チーム内のコミュニケーションの基盤です。 — Project NovaSolverは実務者の学習支援も視野に入れています。
CAEの未来を、実務者と共に考える
Project NovaSolverは、応力緩和における実務課題の本質に向き合い、エンジニアリングの現場を支える道具づくりを目指す研究開発プロジェクトです。
プロジェクトの最新情報を見る →関連トピック
なった
詳しく
報告