水撃 — CAE用語解説
水撃
水撃とは何か
水撃って水道の蛇口を急に閉めるとドンッてなる現象ですよね?CAE的にはどう解析するんですか?
その通りだ。バルブを急閉すると管内の流れが急停止して、圧力衝撃波が音速近くで管内を伝播する。この現象が水撃(ウォーターハンマー)だ。発生する過大圧力はΔP = ρ * c * ΔV という式で評価できて、密度と音速と流速変化の積になる。大型ポンプ設備では何十気圧もの圧力スパイクが発生することがある。
それって管が壊れる可能性があるんですか?
ある。プラントや水道施設のバルブ操作ミスで配管が破損した事故の多くは水撃が原因だ。設計では水撃抑制のためにバルブの閉鎖時間を長くする(ゆっくり閉める)、蓄圧器(アキュムレータ)を設置する、エアベントを設ける、などの対策を取る。
水撃シミュレーションの手法
シミュレーションではどうやって解析するんですか?
1Dの配管網解析ツール(HAMMER、AFT Impulseなど)が一般的だ。配管をノードと管路要素のネットワークで表現して、特性曲線法(MOC)で圧力波の伝播を時間解析する。小規模なシステムなら計算は数秒で終わる。詳細な流れ場が必要な場合は3D圧縮性CFDを使うが、コストが高いので通常は1Dで十分だ。
圧縮性というのが重要なんですか?通常の水の解析では非圧縮で扱いますよね?
そこが水撃の特別なところだ。通常のCFDでは水は非圧縮と仮定するが、水撃では液体の圧縮性と管の弾性による有限の音速(水中でおよそ1400m/s)が圧力波の伝播に関係する。非圧縮モデルでは水撃を捉えられない。1Dモデルでは等価な弾性率から音速を計算に組み込んでいる。
配管の材質も関係するんですか?
大きく関係する。金属管とプラスチック管では弾性率が全然違うから音速も変わる。水撃の圧力スパイクはプラスチック管のほうが小さい(管が変形して圧力を吸収する)が、疲労の問題が出やすい。設計段階での水撃解析は配管材料選定にも影響する。
関連用語
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