Mortar法接触

カテゴリ: 構造解析 | 統合版 2026-04-06
CAE visualization for mortar contact theory - technical simulation diagram
Mortar法接触

Mortar法接触の理論基礎

Mortar法とは

🙋

先生、Mortar法は最新の接触手法ですか?


🎓

Mortar法は接触条件を弱形式(積分形式)で課す手法。従来のノード対面(Node-to-Surface, NTS)接触よりもメッシュの非適合に強い


🎓

従来のNTS法:スレーブ節点がマスター面に投射。接触条件は各節点で「点」として評価。


Mortar法:接触条件を接触面全体で積分して評価。面全体で平均的に拘束を満たす。


🙋

「点」で評価するか「面」で評価するかの違いですね。


🎓

Mortar法の利点:

  • メッシュの非適合に強い — マスターとスレーブのメッシュが一致しなくてよい
  • 接触圧の振動がない — NTS法で起きるチェッカーボードが解消
  • パスインデペンデント — マスター/スレーブの選択に依存しにくい

Abaqusでの実装

🎓

AbaqusのSURFACE TO SURFACE接触がMortarベース。NODE TO SURFACEが従来のNTS法。


```

*CONTACT PAIR, INTERACTION=prop, TYPE=SURFACE TO SURFACE

```


AbaqusのデフォルトはSURFACE TO SURFACE(Mortar)。


まとめ

🎓

要点:


  • 接触条件を面全体で積分 — 点評価よりロバスト
  • 非適合メッシュに強い — マスター/スレーブのメッシュが異なってOK
  • AbaqusのSURFACE TO SURFACEがMortarベース — デフォルト
  • 接触圧の振動がない — NTS法の弱点を克服

Coffee Break よもやま話

Bernardi-Maday-Patera1993年

Mortar法は1993年にC. Bernardi、Y. Maday、A.T. Pateraがスペクトル要素法の領域分割のために考案した手法だ。異なるメッシュを持つ部分領域間でL²射影により弱い意味で連続性を保証する。接触問題への応用はBen Belgacem(1999年)が定式化し、非適合メッシュ間でも接触圧力の積分精度が保たれることを証明した。

Mortar法接触の数値計算手法

Mortar法の計算

🎓

Mortar法は接触面同士の積分セグメントを構成し、面対面で拘束を評価。


  • Abaqus: SURFACE TO SURFACE(デフォルト)
  • Ansys: MPC CONTACT or Mortar接触
  • Nastran: MORTAR接触(SOL 400)

🙋

全ソルバーでMortar法が使えるんですね。


🎓

最新の商用ソルバーはMortarベースの接触に移行しつつある。NTS法はレガシーとして残るが、新規の解析にはMortar法が推奨。


まとめ

🎓
  • 全主要ソルバーでMortar法が利用可能
  • AbaqusのSURFACE TO SURFACEがデフォルト
  • NTS法からMortar法への移行が進行中

  • Coffee Break よもやま話

    セグメント積分の実装

    Mortar接触の計算の核心は、マスター面とスレーブ面の交差セグメントを求め、各セグメント上でガウス積分を実施することだ。Fischer & Wriggers(2005年)のアルゴリズムでは、3次元の交差多角形クリッピングをSutherland-Hodgmanアルゴリズムで実装し、複雑な曲面同士の接触でも積分点が重複しないよう保証している。この処理はコードの中で最も幾何計算が重い部分の一つだ。

    Mortar法接触の実務適用

    Mortar法の実務

    🎓

    Mortar法は「デフォルトで使う」のが最善。NTS法を明示的に選ぶ理由は稀。


    実務チェックリスト

    🎓
    • [ ] Mortar法(SURFACE TO SURFACE)が選択されているか
    • [ ] 接触圧がNTS法より滑らかか確認
    • [ ] メッシュの非適合が正しく処理されているか
    • [ ] 貫通量が許容範囲か

    • Coffee Break よもやま話

      風力発電機主軸接触解析

      Vestas社は2015年頃から風力発電機の主軸-ハウジング間非適合メッシュ接触にMortar法を採用している。シャフト側のメッシュ密度はベアリング溝周辺で局所的に細かく、ハウジング側は粗いが、Mortar射影により界面での荷重伝達が理論値の99.5%以上確保される。従来のタイ接触(node-to-node)では非適合部に人工的な応力集中が生じ、疲労寿命が過小評価されていた。

      Mortar法接触のソフトウェア比較

      Mortar法のツール

      🎓
      • Abaqus: SURFACE TO SURFACE(デフォルト、推奨)
      • Ansys: MPC Contact / Mortar
      • Nastran SOL 400: Mortar接触

      • 選定ガイド

        🎓
        • 全ての接触解析でMortar法を推奨 — NTS法より安定
        • 非適合メッシュ → Mortar法が必須
        • ソルバーのデフォルトを使う — 大部分のケースで最適

        • Coffee Break よもやま話

          Sierra/SolidとMortar実装

          米国Sandia National LaboratoriesはSierra/Solidコードにmortar接触をV4.0(2008年)で実装し、核爆発シミュレーションの部品接触解析に活用してきた。商用ではABAQUS 6.14(2014年)がmortar formulation optionを追加し、非適合メッシュを持つ大規模アセンブリ解析に開放した。ANSYS Mechanicalでは2019年のバージョン2019R1でmortar接触がpreviewから正式機能に昇格している。

          Mortar法接触の先端研究

          先端トピックと研究動向

          メカ沢くん
          メカ沢くん

          Mortar法による接触の分野って、これからどう進化していくんですか?


          博士
          博士

          Mortar法による接触における最新の研究動向と先進的手法を見ていこう。


          メカ沢くん
          メカ沢くん

          なるほど…法による接触におけるって一見シンプルだけど、実はすごく奥が深いんですね。


          最新の数値手法

          メカ沢くん
          メカ沢くん

          次は最新の数値手法の話ですね。どんな内容ですか?



          メカ沢くん
          メカ沢くん

          うーん、式だけだとピンとこないです… 何を表してるんですか?


          博士
          博士
        • **等幾何解析 (IGA)**: NURBS基底関数を直接使用し、CAD-CAE間のシームレスな連携を実現
        • **粒子法 (SPH, MPM)**: メッシュフリー手法による大変形・破壊の追跡
        • **位相場法 (Phase-Field)**: 界面の暗示的表現による複雑な界面追跡
        • **機械学習支援**: サロゲートモデル、物理インフォームドニューラルネットワーク (PINN)


        • 高性能計算 (HPC) への対応


          並列化手法概要適用ソルバー
          MPI (領域分割)分散メモリ型。大規模問題の標準全主要ソルバー
          OpenMP共有メモリ型。ノード内並列多くのソルバー
          GPU (CUDA/OpenCL)GPGPU活用。特に陽解法で有効LS-DYNA, Fluent等
          ハイブリッド MPI+OpenMPノード間+ノード内並列大規模HPC環境

          Mortar法接触のトラブル対応

          Mortar法のトラブル

          🎓
          • NTS法より収束が遅い場合がある → 接触安定化を追加
          • 接触面が大きく離れる問題 → 初期接触の設定を確認
          • 大部分のトラブルはMortar法固有ではなく接触一般のトラブル — ペナルティ法のトラブルシューティングが適用可能

          • Coffee Break よもやま話

            射影外れによる接触抜け

            Mortar法の実装上の落とし穴として、スレーブ節点がマスター面の射影範囲外に出た際に接触ペアが自動解除されてしまう問題がある。橋梁支承部の解析で2018年、橋軸方向の大変形時にサドル面が射影外れを起こして荷重が突然ゼロになる事例が報告された。対策として拡張マスター面(padding法)または動的再接触ペア再構築を有効化し、問題を解消した。

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            Written by NovaSolver Contributors
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