Ogden超弾性モデル
Ogden超弾性の理論基礎
Ogdenモデルとは
先生、Ogdenモデルはどんな超弾性モデルですか?
Ogdenモデル(1972)は主延伸比($\lambda_1, \lambda_2, \lambda_3$)で直接ひずみエネルギーを記述:
$N = 1 \sim 3$ 項の合計。$\mu_i, \alpha_i$ が材料定数。
Mooney-Rivlinより多くのパラメータ?
$N = 3$ で6パラメータ。Mooney-Rivlinの2パラメータより大ひずみ(200%以上)で正確。特に引張と圧縮の両方を同時にフィッティングできる。
まとめ
Ogdenモデルの誕生
Ray Ogdenが1972年に発表したこのモデルは、任意次数の多項式でひずみエネルギーを表現する。2次で新興ゴムの誤差5%以内、3次では天然ゴムを1%以内で再現できるとされ、同年のJournal of Mechanicsに掲載後、タイヤ設計分野で急速に採用が広がった。
Ogden超弾性の数値計算手法
OgdenのFEM設定
```
*HYPERELASTIC, OGDEN, N=3
mu1, alpha1, D1
mu2, alpha2, D2
mu3, alpha3, D3
```
または:
```
*HYPERELASTIC, OGDEN, TEST DATA INPUT
*UNIAXIAL TEST DATA
stress, strain
*BIAXIAL TEST DATA
stress, strain
```
自動フィッティングが推奨。
まとめ
パラメータ同定の順序
Ogdenモデルのパラメータ同定は単軸→等二軸→純剪断の順で行うのが定石。Treloarが1944年に測定した天然ゴムの試験データは現在もベンチマークとして使われており、3次Ogdenでμ₁〜μ₃とα₁〜α₃の計6パラメータを最小二乗法で一括同定する手順が標準的だ。
Ogden超弾性の実務適用
Ogdenの実務
タイヤ、Oリング、大変形ゴム部品で使用。Mooney-Rivlinで不十分な大ひずみ問題に。
実務チェックリスト
Abaqusでの入力順
Abaqus/CAEでOgdenモデルを定義する際、次数Nを先に宣言してからμᵢ・αᵢ・Dᵢを順番に入力する。N=3の場合はパラメータ行が3行になる。実務ではDᵢ≈0(非圧縮仮定)としてもポアソン比0.4995相当の挙動を再現でき、計算コストを約15%削減できる。
Ogden超弾性のソフトウェア比較
Ogdenのツール
選定ガイド
ソルバー別対応次数
Ogdenモデルの対応次数はソルバーにより異なる。Abaqus・LS-DYNAはN=6まで、MSC Marcは理論上無制限(実用N=9)、NastranはSOL 400でN=3まで対応する。NX NastranではカードとしてOGDEN1〜OGDEN3が用意されており、次数ごとに別カードを使う仕様だ。
Ogden超弾性の先端研究
Ogdenの先端
Ogden-Roxburgh拡張
1999年にOgdenとRoxburghが共同開発した拡張モデルは、Mullins効果をOgdenエネルギーに損傷変数η(r)を乗じて表現する。パラメータrは除荷時の最大ひずみ量に依存し、自動車用ブッシュゴムの耐久解析でAnsys Mechanicalに実装され2004年ごろから実用化された。
Ogden超弾性のトラブル対応
Ogdenのトラブル
Drucker安定性の落とし穴
Ogdenパラメータ組がDrucker安定条件(∂²W/∂λᵢ² ≥ 0)を満たさないと、圧縮側でエネルギーが負になり収束しない。Abaqus 2020以降は*Hyperelastic定義時に自動チェックが走り警告メッセージC3-205を出す。αᵢが負値を混在させた3次モデルで特に頻発する問題だ。
関連トピック
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