電磁誘導シミュレーター 戻る
電磁気・光学

電磁誘導・ファラデーの法則シミュレーター

コイルパラメータと磁場を設定して、磁束Φ・誘導起電力ε・誘導電流Iをリアルタイム可視化。レンツの法則アニメーション・相互インダクタンス・変圧器計算に対応。

パラメータ設定
モード
コイル設定
巻数 N
断面積 A
cm²
抵抗 R
Ω
磁場設定 B(t) = B₀·sin(2πft)
振幅 B₀
T
周波数 f
Hz
相互誘導設定
N₂(二次巻数)
結合係数 k
再生コントロール
波形オーバーレイ
保存: 0 / 5
計算結果
ε_max 誘導起電力 [V]
I_max 誘導電流 [A]
M 相互インダクタンス [mH]
P 消費電力 [W]
N₂/N₁ 変圧器巻数比
Φ_max 最大磁束 [mWb]
時系列グラフ
アニメーション
アニメーション(レンツの法則)
理論・主要公式

ファラデーの法則(誘導起電力):

$$\varepsilon = -N\frac{d\Phi}{dt}, \quad \Phi = B \cdot A \cos\theta$$

正弦波磁場 $B(t)=B_0\sin(2\pi ft)$ のとき:

$$\varepsilon(t) = -N A B_0 \cdot 2\pi f \cdot \cos(2\pi ft)$$

相互インダクタンス:$M = k\sqrt{L_1 L_2}$, 変圧器:$\dfrac{V_2}{V_1}=\dfrac{N_2}{N_1}$

誘導電流:$I(t) = \varepsilon(t)/R$, 消費電力:$P = I^2 R = \varepsilon^2/R$

電磁誘導・ファラデーの法則とは

🙋
「ファラデーの法則」って、教科書には「コイルを貫く磁束が変化すると起電力が生じる」って書いてありますけど、具体的に何が起きてるんですか?
🎓
大まかに言うと、磁石をコイルに近づけたり遠ざけたりすると、コイルに電気が流れる現象だね。このシミュレーターで、左側の「振幅 B₀」のスライダーを動かしてみて。磁場の強さが変わると、グラフの「磁束Φ」が変化するのが見えるよね。その変化が「誘導起電力ε」を生み出すんだ。
🙋
え、そうなんですか!じゃあ「巻数 N」を増やすと、もっとたくさん電気が取り出せるということですか?
🎓
その通り!実務ではモーターや変圧器の設計で、この巻数を動かして性能を調整するんだ。上のパラメータで「N」の値を大きくしてみて。グラフの「誘導起電力ε」の振幅が一気に大きくなるのがわかるかな?巻数を2倍にすれば、理論上は発生する電圧も約2倍になるんだ。
🙋
なるほど!でも、できた電気(誘導起電力)は全部使えるんですか?「抵抗 R」も関係あるって聞いたけど…。
🎓
良いところに気づいたね。起電力があっても、コイル自体に抵抗があれば流れる電流は制限される。これが「誘導電流 I」だ。右のパラメータで「抵抗 R」を大きくしてみよう。起電力εは変わらないのに、電流Iが小さくなるのが確認できるよ。例えば、ワイヤレス充電のコイルは抵抗を極力小さく設計して、効率を上げているんだ。

よくある質問

磁場の振幅(B₀)を大きくすると誘導起電力の最大値も比例して大きくなります。周波数fを上げると、ファラデーの法則の式ε(t) = -N A B₀·2πf·cos(2πft)から分かる通り、起電力の振幅も周波数に比例して増加します。波形の周期が短くなり、変化が急峻になる点も確認できます。
巻数Nを増やすと誘導起電力εはNに比例して大きくなります(ε = -N dΦ/dt)。ただし、コイルの抵抗も巻数にほぼ比例して増加するため、誘導電流I = ε/Rは必ずしも比例しません。本シミュレーターでは抵抗値を別途設定できるので、両方の影響を試しながら確認してください。
アニメーションは、誘導電流が作る磁場(反磁場)の向きを矢印で可視化しています。外部磁場が増加するときは反磁場がそれを打ち消す向きに、減少するときは補う向きに発生します。これにより、誘導電流の向きが常に磁束変化を妨げる方向に流れる「レンツの法則」を直感的に理解できます。
一次コイルの巻数・電圧・周波数、二次コイルの巻数、そして結合係数(相互インダクタンスの強さ)を設定できます。これらをもとに、変圧比から二次側の誘導電圧が自動計算され、磁束の時間変化とともにリアルタイム表示されます。結合係数を1未満にすると漏れ磁束の影響も再現可能です。

実世界での応用

発電機:火力・水力・風力発電の心臓部です。タービンで磁石(または電磁石)を回転させ、固定したコイルに変化する磁場を与えることで、ファラデーの法則に従って大電力を発生させています。コイルの巻数や磁場の強さは発電機の出力設計の根幹です。

変圧器:送電や電子機器の電源に不可欠です。一次コイルに交流電流を流して変化する磁場を作り、それに結合した二次コイルに誘導起電力を発生させます。このシミュレーターの「N₂」や「結合係数 k」を調整することで、変圧比や結合効率を確認できます。

ワイヤレス給電(WPT):スマートフォンや電気自動車の非接触充電に使われています。送信コイルと受信コイルの間の磁気結合によりエネルギーを伝達します。結合係数kが効率を大きく左右するため、CAEツールで詳細な磁場解析を行う前に、本ツールで概算するケースがあります。

モーターの逆起電力:モーターは回転すると、発電機としても働き、電源電圧を打ち消す向きの誘導起電力(逆起電力)を発生させます。この値はモーターの回転速度に比例し、制御設計上の重要なパラメータです。CAEを用いたモーター設計の初期段階で、この逆起電力を簡易見積もる目的で使われます。

よくある誤解と注意点

このシミュレーターを使い始めるとき、いくつか勘違いしやすいポイントがあるよ。まず、「磁束が変化すれば必ず電流が流れる」と思いがちだけど、回路が閉じていなければ電流は流れないんだ。誘導起電力は「電圧」が生じている状態。スイッチが切れてるコンセントと同じで、これだけではエネルギーは取り出せない。例えば、変圧器の二次側をオープン(未接続)にすると、電圧は発生しているけど電流はゼロ。これが「起電力」と「電流」の違いだね。

次に、パラメータ設定で気をつけたいのは現実的なオーダーを意識すること。遊びで「巻数N」を10000回とか「周波数f」を1MHzとか極端な値にすると、計算上は巨大な電圧が出るけど、実際にはコイルの寄生容量や発熱でそんな性能は出せない。実務では、例えば小型変圧器なら巻数は数百回、周波数は50/60Hzか数kHz〜数百kHzが一般的。まずはこのツールで理論値を出し、そこから現実の制約(線材の太さ、コアの飽和、損失)を考えていくのが正しいステップだ。

あと、「結合係数k=1」が最高効率だと思ってない?確かに理想だけど、現実の磁気結合ではk=1はほぼ不可能で、0.95以上でも超高精度な設計が必要。ワイヤレス充電だとコイルの位置ずれでkが0.7を切ることも珍しくない。このツールでkを1から0.5に下げてみて。二次側に誘導される電圧が大きく落ちるのがわかるよね。これが「理論と実装のギャップ」の第一歩だ。