平面ラーメン解析 戻る
構造解析

平面ラーメン構造解析(直接剛性法)

矩形門型ラーメンの直接剛性法による解析。変形図・曲げモーメント図・断面力をリアルタイム計算。水平荷重下の層間変位もアニメーション表示。

パラメータ設定
支点条件(両柱脚)
スパン L
m
柱高さ h
m
EI_梁 (kN·m²)
kN·m²
EI_柱 (kN·m²)
kN·m²
梁分布荷重 w
kN/m
水平荷重 H(左→右)
kN
計算結果
最大変位 δ (mm)
梁最大曲げ M (kN·m)
柱最大曲げ M (kN·m)
層間変形角 δ/h
フレーム
理論・主要公式

梁要素剛性マトリクス(局所座標):

$$[k_e] = \frac{EI}{L^3}\begin{bmatrix}12 & 6L \\ 6L & 4L^2\end{bmatrix}$$

全体系:$\mathbf{K}\mathbf{U}=\mathbf{F}$

平面ラーメン構造解析(直接剛性法)とは

🙋
「直接剛性法」って何ですか? 単純に「構造計算」って言わないのはなぜ?
🎓
大まかに言うと、コンピュータで骨組みを計算するための「アルゴリズム」の名前だね。実務では、この方法を拡張した有限要素法(FEM)がAnsysやAbaqusといったCAEソフトの心臓部になってるよ。このシミュレーターで「水平荷重H」のスライダーを動かすと、リアルタイムで骨組みが変形するでしょ? あの裏で動いている計算がまさに直接剛性法なんだ。
🙋
え、そうなんですか! でも、梁と柱の「EI」ってパラメータが別々にあるのはなぜ? 同じ材料なら一緒じゃないの?
🎓
良いところに気づいたね! 現場では、梁と柱で断面の大きさ(I)を変えることが多いんだ。例えば、工場のラーメン架構だと、大きなクレーン荷重に耐えるため梁を太く(EI_梁を大きく)設計する。このツールで「EI_梁」を大きくして「EI_柱」を小さくしてみて。梁がほとんど曲がらず、柱のほうが大きく変形するのがわかるよ。
🙋
なるほど! 支点条件で「ピン」と「固定」を選べますが、実際の建物ではどっちが多いんですか?
🎓
コンクリート造の建物は柱脚が「固定」に近いね。基礎にしっかり埋め込まれて回転を拘束されるから。でも、軽量鉄骨の倉庫などは「ピン」に近い接合もあるよ。シミュレーターで柱脚を「ピン」に変えてみて。固定の時より変形が大きくなるし、曲げモーメント図も柱の根元でゼロになるのが確認できる。これが設計の選択肢なんだ。

よくある質問

はい、本ツールは矩形門型ラーメン専用です。柱と梁が直交する1層1スパンの形状に限定されます。斜め部材や多層・多スパンには対応していませんので、ご了承ください。
荷重や部材寸法(スパン長、柱高さ、断面剛性EI)をスライダーや数値入力で変更すると、即座に変形図・曲げモーメント図・せん断力図が更新されます。数値も連動して変化するため、パラメータの影響を直感的に把握できます。
水平荷重(風荷重など)を入力すると、変形図がアニメーションで拡大表示されます。層間変位(柱頂部の水平変位)が数値とともに動的に変化し、剛性の大小による変形の違いを視覚的に比較できます。
はい、内部の行列計算は自動で行われますので、原理を知らなくても入力値を変えるだけで結果を得られます。ただし、出力される曲げモーメント図や変位の意味を理解するには、構造力学の基礎知識(固定モーメント・たわみ角など)があるとより活用しやすいです。

実世界での応用

建築構造(オフィスビル・マンション):鉄骨造や鉄筋コンクリート造の骨組み設計の中核です。柱と梁で構成されるラーメン構造は、居住空間を広く取れるため高層建築に多用されます。このツールで再現している水平荷重は、風や地震力の評価に直接関連します。

橋梁(門型橋脚):道路や鉄道の橋で、橋桁を支える門型の橋脚(フレーム式橋脚)の設計に応用されます。橋脚の柱に作用する曲げモーメントを評価し、適切な鉄筋配置を決定するために用いられます。

工場・プラント架構:大型クレーンを備えた工場の骨組みや、化学プラントのパイプライン支持架構の設計です。ツールの「梁分布荷重 w」は、クレーンレールや配管・機器の重量を模擬しており、梁のたわみ量を確認するために使われます。

CAEソフトウェアの基礎教育:Ansys, Abaqus, MSC Nastranなどの商用有限要素法(FEM)ソフトは、この直接剛性法の原理を多次元・非線形に拡張したものです。このシミュレーターで学ぶ「剛性マトリクスの組み立て」と「KU=Fの求解」は、それら高度なCAE解析を理解するための第一歩となります。

よくある誤解と注意点

まず、「EI(曲げ剛性)が大きいほど、必ず曲げモーメントも大きくなる」と思っていない?実はこれは大きな誤解だ。EIは「変形のしにくさ」を表す。例えば、このツールで「EI_梁」を極端に大きくして柱との剛性比を10:1くらいにしてみて。すると、梁はほとんど曲がらず、代わりに柱の根元に大きな曲げモーメントが集中するのがわかる。逆に、梁を柔らかく(EIを小さく)すると、梁の中央でモーメントが大きくなる。重要なのは、荷重の経路は剛性の高い部分に流れるという「剛性分配」の概念だ。実務では、このバランスを考えて部材を設計する。

次に、支点条件の理想化にも注意が必要だ。シミュレーターでは「固定」「ピン」「ローラー」と明確に分かれているが、現実の構造物は完全な固定や完全なピンではない。例えば、コンクリート柱脚は「半剛接」と呼ばれる中間的な挙動を示すこともある。ツールで「固定」と「ピン」の結果を比べることで、その境界条件が構造全体の応力や変形にどれほど敏感に影響するかを体感してほしい。設計では、この不確実性を安全側に見る「余裕」が含まれる。

最後に、「分布荷重」の入力値の意味を正しく理解しよう。ここでの「w」は、梁の全長にわたる等分布荷重の単位長さあたりの荷重だ。例えば、スパン(梁の長さ)L=5mの梁に w=10 kN/m をかけると、梁が支えなければならない総荷重は 10 kN/m × 5m = 50kN になる。この総荷重が、両端の支点(柱)にどのように分配(反力)されるかが計算のキモだ。値を大きくしすぎると非現実的な結果になるので、まずは小さな値(1〜5 kN/m程度)から試すのがコツだ。