パラメータ設定
長さはすべてcm。光は左から右へ進み、各面の曲率中心が右側ならR>0、左側ならR<0です。両凸はR₁>0・R₂<0、両凹は逆。半径0は無効で、平面はチェック欄で指定します。
アニメーションは光線を強調する表示効果で、光の速さや実際の伝播時間を示すものではありません。停止中も計算できます。
曲率・集光と薄レンズの結像
入射光線
出射光線
レンズ断面(R₁,R₂で形状が変化)
焦点 F′(f だけ離れる)
断面・厚さは模式表示です。光線は中央の薄レンズ面で曲がる近軸モデルで、描いた両面に対する厳密なスネル則追跡ではありません。縦横の縮尺は異なりますが、同じ図内の物体・像の矢印には共通の縦縮尺を使います。
虫眼鏡の例:n=1.5、R₁=10cm、R₂=−10cmより1/f=0.1cm⁻¹。s=5cmならs′=1/(0.1−0.2)=−10cm、M=2です。等倍実像の例は同じレンズでs=20cm、s′=20cm、M=−1。ボタンで各条件を読み込めます。
理論・主要公式
薄レンズの焦点距離は、レンズ材料の屈折率 n と両面の曲率半径 R1, R2 で決まります(レンズメーカー方程式):
$$\frac{1}{f} = (n-1)\left(\frac{1}{R_1} - \frac{1}{R_2}\right)$$
物体距離 s と像距離 s' を結ぶガウスの結像式(薄レンズの公式):
$$\frac{1}{s} + \frac{1}{s'} = \frac{1}{f}$$
横倍率 M。負なら倒立、正なら正立、|M|>1 で拡大、|M|<1 で縮小:
$$M = -\frac{s'}{s}$$
空気中(周囲の屈折率1)、球面・薄レンズ・近軸近似です。平面は1/R=0、度数Pは100/f(fがcmのとき)で単位D。レンズ厚さ、収差、分散、複合レンズ、水中での結像は計算しません。Rの符号は各面の曲率中心の左右で決まります。
出典:OpenStax University Physics Vol.3 §2.4:薄レンズ、符号規約、結像式。図と実例はこのツール用に作成しています。
レンズメーカー方程式シミュレーターとは
🙋
レンズの焦点距離って、どうやって決まるんですか?値段が高い望遠レンズと安いレンズで、何が違うんですか?
🎓
空気中の薄い球面レンズなら、屈折率と両面の曲率半径から $1/f=(n-1)(1/R_1-1/R_2)$ で焦点距離を求められるよ。既定値のR1を30から100cmへ変えると、fは37.5から約66.7cmへ伸びる。ただし実際の写真レンズは厚さや複数枚の配置、収差も関係するので、この式だけで価格や性能は比較できない。
🙋
なるほど。じゃあ「物体距離 s」を変えると、像距離 s' のカードがどんどん変わりますね。s=60で s'=100、s=200にすると s' が短くなる。
🎓
ガウスの結像式 $1/s+1/s'=1/f$ だね。収束レンズでs>fの範囲では、物体を遠ざけると像距離はfへ近づく。既定のf=37.5cmでs=200cmならs′≈46.15cm。無限遠の物体から来る平行光は像側の焦点に集まる。一方、発散レンズの焦点は後方延長が交わる虚の焦点だよ。
🙋
「倍率 M=-s'/s」のカードが -1.67 になってますね。マイナスってどういう意味ですか?
🎓
負の横倍率は倒立像を表す。結像表示では像の矢印が下向きになるね。既定値ではs′=100cm、M=−100/60≈−1.67なので倒立拡大実像だよ。カメラの光学像と画面上の表示方向は区別しよう。スマホの表示方向は画像処理や表示処理で扱われ、人の脳がスマホ画面を回転させるわけではない。
🙋
じゃあ虫眼鏡みたいに正立で見えるのは、どうやれば再現できますか?
🎓
「虫眼鏡」の実例を選んでみよう。n=1.5、R₁=10cm、R₂=−10cmでf=10cm。s=5cmならs′=−10cm、M=2となり、正立拡大虚像だよ。破線の後方延長が物体側で交わるけれど、実際の出射光がそこで集まるわけではない。ここでの横倍率は、眼で感じる角倍率とは別の量なんだ。
よくある質問
光は左から右へ進みます。各面の曲率中心が右側ならR>0、左側ならR<0です。両凸はR₁>0・R₂<0、両凹は逆です。長さはcmで入力します。半径0は無効で、平面はチェック欄で指定し、その面の1/Rを0とします。
いいえ。s′<0は物体側にある虚像を表します。出射光の後方延長が交わる位置で、実際の光線がそこで集まるわけではありません。虫眼鏡の実例はf=10cm、s=5cmからs′=−10cm、M=2になります。ここでのMは横倍率で、眼で見る角倍率とは異なります。
s=fでは出射光が平行になり、有限の像距離と横倍率を定義できません。一方、度数P=0では追加の集光がなく、有限物体に対する薄レンズの恒等極限はs′=−s、M=1です。これは新しい投影像や焦点ができることを意味しません。
このツールは空気中(周囲の屈折率1)の球面薄レンズ・近軸モデルです。nはレンズ材料の屈折率で、周囲の媒質ではありません。水中成像、厚さ、球面収差、色収差、複数レンズは計算しません。断面の厚さは模式表示で、実物の製作仕様ではありません。
実世界での応用
カメラのピントを理解する:物体距離を変えると像距離が動くことを確認できます。収束レンズで物体が十分遠ければ像は焦点付近にできます。実際の写真レンズは複数枚の配置・厚さ・収差を含むため、この単レンズモデルだけでズームや画質は予測できません。
レンズ度数と長さ単位:度数P=1/fはfをmで表したときの値です。例えばf=−50cm=−0.5mならP=−2D。画面ではcmからDへ換算して表示します。これは光学量の例であり、眼鏡やコンタクトレンズの処方・適合判定は行いません。
投影と拡大の違い:「等倍実像」の例ではf=10cm、s=20cm、s′=20cm、M=−1です。「虫眼鏡」の例ではs=5cm、s′=−10cm、M=2。スクリーンに投影できる実像と、後方延長から見える虚像の違いを比較できます。顕微鏡や望遠鏡全体の倍率は対象外です。
レーザー光学の入口:平行光の焦点や、物体が焦点上にあるときの平行出射を幾何光学として確認できます。レーザーのビーム径・回折・ガウシアンビームの広がり・ファイバへの結合効率は計算していません。
よくある誤解と注意点
厚さと曲率を混同しない:この薄レンズ式では厚さを無視し、屈折率と両面の曲率から焦点距離を求めます。図の中心厚さは面が交差しないための模式表示で、計算パラメータではありません。既定値からR₁を10cmにするとf≈16.67cmになりますが、これだけで実際のレンズを製作できるわけではありません。
半径と距離の符号は分けて読む:Rは各面の曲率中心が右側なら正、左側なら負です。sは左側の実物体からレンズまでの正の距離で、s′はレンズ右側の実像なら正、左側の虚像なら負です。「すべて右方向が正」と一括して入力を解釈しないでください。
適用範囲:球面・空気中・薄レンズ・近軸近似です。大きな角度の光線、厚レンズの主平面、球面収差、色収差、複合光学系の性能は予測しません。焦点付近では像が描画範囲を超えることがあるので、状態説明と数値結果を併せて確認してください。