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材料・破壊

弾塑性応力-ひずみ曲線
ジェネレーター

弾性・降伏・加工硬化・最終破断を含む応力-ひずみ曲線を対話的に生成。Ramberg-Osgood則による塑性モデルと真応力-真ひずみ変換をリアルタイムで可視化します。

材料プリセット
弾性パラメータ
ヤング率 E
GPa
降伏応力 σY
MPa
加工硬化パラメータ
強度係数 K
MPa
塑性域の応力スケール係数
加工硬化指数 n
低いほど硬化しやすい(鋼: 0.1〜0.3)
最大ひずみ
%
表示切替
計算結果
E [GPa]
σY [MPa]
UTS [MPa]
ε at UTS [%]
靱性 [MJ/m³]
応力-ひずみ曲線 公称応力-ひずみ
曲線
理論・主要公式

$$\sigma = E \varepsilon \quad (\varepsilon \leq \varepsilon_y), \quad \sigma = \sigma_y + K(\varepsilon - \varepsilon_y)^n \quad (\varepsilon > \varepsilon_y)$$

弾完全塑性モデル:\(\sigma_y\) 降伏応力、\(K\) 加工硬化係数、\(n\) 加工硬化指数

$$\sigma = K_H \varepsilon_{true}^n \quad \text{(Hollomon式)}$$

Hollomon式:\(K_H\) 強度係数 [MPa]、\(n\) 指数(0〜0.5)

$$\varepsilon_{true} = \ln(1 + \varepsilon_{eng}), \quad \sigma_{true} = \sigma_{eng}(1 + \varepsilon_{eng})$$

公称ひずみ→真ひずみの変換(ネッキング前に有効)

金属の弾塑性応力-ひずみ曲線とは

🙋
「弾塑性応力-ひずみ曲線」って何ですか?引っ張り試験のグラフとは違うんですか?
🎓
大まかに言うと、材料が「バネのように戻る弾性」から「永久に変形する塑性」に移る様子を一本の数式で表した曲線だよ。引っ張り試験で得られるデータを、Ramberg-Osgood則というモデルで滑らかに近似しているんだ。このシミュレーターの「加工硬化指数n」のスライダーを動かすと、降伏後の曲線のカーブの仕方が大きく変わるのがわかるよ。
🙋
え、そうなんですか!「真応力」と「公称応力」ってボタンもありますけど、これは何が違うんですか?
🎓
実務で設計する時にすごく大事な違いなんだ。公称応力は最初の断面積で割った「見かけの応力」。真応力は変形しながら細くなった「その瞬間の断面積」で割った「本当の応力」だ。例えば自動車の衝突で部品が大きく伸びる時、真応力で考えないと破壊の予測を誤る。シミュレーターで切り替えてみると、特にひずみが大きい領域で曲線が全然違って見えるはずだよ。
🙋
なるほど!じゃあ「強度係数K」と「ヤング率E」は両方とも材料の硬さを表すんですか?
🎓
役割が全く違うんだ。Eは「弾性域の硬さ」、つまりバネ定数のようなもの。Kは「塑性域の強さの目安」だね。例えば「降伏応力」を200MPaに固定して、Kだけを大きくしてみて。塑性域の曲線が全体的に上に持ち上がって、同じひずみでもっと高い応力が必要になるのがわかるよ。現場では、Kとnを材料試験データからフィッティングして、CAEソフトの材料モデルに入力するんだ。

よくある質問

nを小さくすると、降伏直後の加工硬化が急峻になり、塑性ひずみの増加に対する応力の上昇が大きくなります。逆にnを大きくすると、なだらかな曲線になり、完全塑性に近い挙動を示します。材料の特性に合わせて0.1〜0.5程度で調整してください。
公称値は初期断面積・初期長さ基準、真値は瞬時の断面積・長さ基準です。大きな塑性変形(数%以上)では真値を使用しないと実際の材料強度を過小評価します。本ツールではリアルタイム変換を可視化できるので、両者の差を確認しながら解析目的に応じて切り替えてください。
本ツールでは降伏点はRamberg-Osgood則のパラメータから連続的に決まります。0.2%オフセット降伏応力は自動計算され、グラフ上にマーカー表示されます。降伏を明示的に指定したい場合は、降伏応力に近いK値と適切なn値を試行錯誤して調整してください。
はい、グラフ上のデータ点をCSV形式でダウンロード可能です。公称値と真値の両方をエクスポートできるため、AbaqusやANSYSなどの汎用CAEソフトに塑性材料定義として直接インポートしてご利用いただけます。

実世界での応用

自動車・航空機の衝突安全解析:車体のクラッシュゾーンや航空機の着陸装置の設計では、部材が大変形しながらもエネルギーを吸収する挙動を正確に予測する必要があります。Ramberg-Osgoodモデルを用いて材料の塑性域での挙動をシミュレーションし、耐衝撃性を評価します。

金属成形加工のシミュレーション:プレス加工や鍛造で金属を塑性変形させるとき、必要な加工力や金型にかかる負荷、材料の加工硬化による強度上昇を予測します。Kとnの値は、成形後の製品強度を決める重要なパラメータとなります。

構造物の弾塑性解析:地震時の建築鉄骨やプラント配管など、想定を超える荷重がかかる場合の挙動を評価します。降伏後の余裕(耐力)を調べ、完全な破壊に至るまでの変形能力(靭性)を確認するために使用されます。

CAE材料モデルの入力パラメータ決定:ANSYSやAbaqusなどのCAEソフトウェアで金属材料の塑性を定義する際、実際の材料試験データをRamberg-Osgood則でフィッティングし、シミュレーション用の材料カード(入力データ)を作成する基礎として広く用いられています。

よくある誤解と注意点

「降伏点までは完全な線形弾性であり、それ以降は完全に塑性変形に切り替わる」と思いがちですが、実際には多くの実材料では降伏は連続的に生じ、明確な降伏点が現れない場合があります。特にRamberg-Osgood則では、降伏域を滑らかな曲線で近似するため、0.2%オフセット耐力など工学的な定義を正しく理解しておかないと、降伏開始の判断を誤る恐れがあります。また、「真応力-真ひずみ曲線は常に公称応力-公称ひずみ曲線よりも上にある」と単純に考えがちですが、実際には破断近傍でくびれが生じると公称応力は低下する一方、真応力は増加し続けるため、両者の乖離が大きくなります。このため、実務で強度評価を行う際は、使用する応力・ひずみの定義が設計基準と整合しているかを必ず確認する必要があります。さらに、加工硬化指数や弾性係数の入力値がわずかに異なるだけで、塑性域全体の曲線形状が大きく変化する点にも注意が必要です。