そう、計算上の「仮想」の荷重だ。求めたい変位の場所と方向に大きさ1の単位荷重をかけたと「仮定」して、その時の各部材の内力 n_i を計算するんだ。エネルギーの保存(外仕事=内仕事)から、実荷重 P による N_i と組み合わせて変位が出る、という仕組み。実務では「単位荷重法」と呼ばれて、トラス・梁・ラーメンどれでも同じ手順で使えるのが強みだよ。
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シミュレーターで「斜め部材の寄与率 85%」って出てるんですけど、これってどう読めばいいんですか?
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それがこの方法の真骨頂だ。頂点の鉛直撓み δ のうち、斜め2本の部材だけで全体の85%を占めている、という意味。つまり剛性を上げたいなら、底辺部材を太くしてもほとんど効かない。斜め部材の断面積 A を増やすのが正攻法だ。シミュレーターで「剛性 EA」を変えるとわかるけど、これは全部材共通で変えてるから、本来は部材別に最適化する。これが構造最適化の基本的な考え方だね。
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なるほど!高さ h を上げると撓みが急に小さくなるのは何でですか?
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鋭いね。式を見ると $N_\text{AC} = P L_\text{AC}/(2h)$ で、h が分母に来ている。つまり h を倍にすると内力が半分になる。さらに撓みは N と n の積(両方とも h に反比例)だから、h² で効く。実務では「背の高いトラスほど軽量で剛性が高い」と言われる理由はこれ。ただし、現場で多いのは天井高さや建築計画で h が制限されるパターンで、その中で最適な b/h 比を探すのが設計の腕の見せどころだよ。
よくある質問
数学的には等価です。カスティリアーノの第二定理 δ = ∂U/∂P を、トラスのひずみエネルギー U = Σ N²L/(2EA) に適用して P で偏微分すると、∂N/∂P がそのまま単位仮想荷重時の内力 n に一致するため、δ = Σ N·n·L/(EA) と同じ式になります。手計算では機械的に進められる単位荷重法が好まれますが、考え方の出発点はエネルギー法として共通です。
使えます。梁の場合は曲げモーメント M を用いて δ = ∫ M·m·dx/(EI) という形になり、トラスの和が積分に変わるだけです。ラーメン構造ではモーメント・軸力・せん断の各寄与を足し合わせます。ただし通常はモーメント項が支配的で、軸力・せん断項は無視できることが多いです。本ツールはまず軸力のみのトラスで原理を直感的に学ぶことを目的としています。
使えますが、ひと工夫必要です。不静定の場合、釣合いだけでは内力 N が決まらないため、冗長力を未知数として「整合条件(変位の連続性)」を立てて連立で解きます。この整合条件式自体が単位荷重法で書き下されるため、不静定解析の標準手法(柔性行列法・力法)の中心に位置します。本シミュレーターの3部材トラスは静定で、内力が釣合いだけで決まる最も基本的なケースです。
まず最も多いのが、「仮想単位荷重」を実際にかける荷重と混同するミスです。仮想単位荷重は計算上の「もしもの荷重」であり、実構造に物理的にかかるわけではありません。求めたい変位の場所と方向に大きさ1の単位荷重をかけたと仮定して、その状態の内力 n を計算する——あくまで数学的なツールです。実荷重 P と区別がついていないと、N と n を混同して計算が全く合わなくなります。