🙋
「平板載荷試験」って、地面に板を置いて重しを載せるだけの試験ですよね?それで何が分かるんですか?
🎓
ざっくり言うと、地面に「これくらいの圧力をかけたら、どれくらい沈むか」を直接測る試験だ。建物や道路を地盤の上に造る前に、その地盤が「どれだけの荷重に耐えられるか」と「どれだけ沈下するか」の2つを知りたい。平板載荷試験は、その答えを基礎が座る深さの掘削底で直接得る、いちばん古くて素直な方法なんだ。30〜75cmくらいの剛い鋼製の載荷板を地面に置いて、油圧ジャッキで段階的に荷重をかけ、各段階の沈下量を測る。そこから荷重-沈下曲線が描ける。
🙋
なるほど!じゃあ試験で「200kPaで8mm沈んだ」と分かれば、実際の基礎もそう沈むって考えていいんですか?
🎓
そこが平板載荷試験のいちばん大事な落とし穴なんだ。試験板は「小さい」、実際の基礎は「大きい」。この2つは同じようには沈まない。載荷面積が大きいほど、応力が地盤の深いところまで届いて、より多くの土を巻き込む。だから同じ載荷圧でも、幅広い基礎は小さな試験板よりずっと大きく沈下するんだ。これを「スケール効果」と呼ぶ。試験で8mmだったから実基礎も8mm、なんて思い込むのは、典型的で危険なミスだよ。
🙋
え、そうなんですか…じゃあ実基礎の沈下はどうやって出すんですか?
🎓
試験板の沈下量に「スケール係数」を掛けて拡大するんだ。その係数は土質で変わる。砂質土ならテルツァギとペックの関係式で、基礎幅が大きくなるほど係数が増えるが、最大4倍に向かって頭打ちになる。粘性土はもっと単純で、沈下がほぼ基礎幅に直接比例する。左の「土質」を粘性土に切り替えて、基礎幅を上げてみて。係数がぐんぐん伸びるのが分かるはずだ。デフォルト条件の砂質土だとスケール係数は約3倍、つまり実基礎は試験板の3倍沈むという予測になる。
🙋
地盤反力係数 k_p と k_f も2つ出てきますね。これは何が違うんですか?
🎓
地盤反力係数 k は「単位沈下あたりの圧力」、要は地盤のばね定数だ。試験で測った k_p は載荷板でのばね定数。でも実基礎は同じ圧力で大きく沈むから、ばねとしては「やわらかい」。だから実基礎の k_f は k_p をスケール係数で割った、小さな値になる。基礎をスプリングモデルで解析するとき、試験で測った k_p をそのまま入れると沈下を過小評価してしまう。必ず基礎幅で補正した k_f を使うのが鉄則だよ。
🙋
試験板の真下だけ良い地盤でも、その下に軟らかい層があったら危なそうですね。
🎓
まさにそこが要注意点。平板載荷試験で評価できるのは載荷板幅の1.5〜2倍くらいの深さまで。30cmの試験板なら地表から50〜60cmの浅い層しか見ていない。でも幅2mの基礎は3〜4mの深さまで地盤を変形させる。試験板の下だけ締まっていて、その深さに軟弱層が潜んでいると、試験は合格でも実基礎は大きく沈む。だから平板載荷試験は単独で使わず、ボーリングなどで基礎幅の2倍の深さまで地盤が一様だと確認してから使うんだ。
そのまま使ってはいけません。試験で用いる載荷板(直径30〜75cm程度)は実際の基礎よりはるかに小さく、同じ載荷圧でも実基礎のほうが大きく沈下します。大きな載荷面積ほど応力が地盤の深いところまで及び、より多くの土を変形させるためです。これがスケール効果で、試験板の沈下量に土質に応じた拡大係数を掛けてはじめて実基礎の沈下量を予測できます。本ツールは砂質土・粘性土それぞれのスケール係数を計算します。
砂質土ではテルツァギ・ペックの関係式 s_f/s_p = (2B_f/(B_f+B_p))² を用います。基礎幅が大きくなるほど比は増えますが、ある上限値(4倍)に向かって頭打ちになります。粘性土では沈下量がほぼ基礎幅に直接比例するため s_f/s_p = B_f/B_p となり、基礎幅に比例して際限なく大きくなります。同じ試験板沈下量でも、粘性土のほうが大きな基礎では沈下が深刻になりやすいということです。
地盤反力係数 k は単位沈下量あたりに地盤が支える圧力(k=圧力/沈下量)で、ばね定数のようなものです。同じ載荷圧でも実基礎は試験板より大きく沈下するため、k_f = k_p / スケール係数 となり、実基礎の k は試験で得た k_p より小さくなります。スプリングモデルで基礎を解析するとき、試験で測った k_p をそのまま入力すると沈下を過小評価する危険があります。必ず基礎幅に応じて補正した k_f を使ってください。
目安として載荷板幅の1.5〜2倍程度の深さまでです。応力は載荷面の幅に応じた範囲にしか及ばないため、直径30cmの試験板では地表から50〜60cm程度の浅い層しか評価できません。一方、幅2mの実基礎は3〜4mの深さまで地盤を変形させます。試験板の真下だけ良好で、その下に軟弱層があると、試験は良い結果でも実基礎は大きく沈下します。平板載荷試験はボーリング調査などと併用し、基礎幅の2倍の深さまで地盤が一様であることを確認したうえで使うのが原則です。
戸建て住宅・小規模建築の基礎設計:木造住宅のベタ基礎や布基礎では、地盤調査として平板載荷試験やスウェーデン式サウンディングが行われます。載荷板の試験結果から長期許容支持力度と沈下量を見積もり、基礎形式や地盤改良の要否を判断します。住宅の基礎幅は1m前後と試験板に比較的近いため、スケール効果の補正は中規模建築よりは穏やかですが、それでも係数を無視すると沈下を見誤ります。
道路・空港の路盤・舗装設計:道路の路床・路盤の支持力評価には、地盤反力係数 K30(30cm載荷板)や K75 が直接使われます。舗装の設計厚さは地盤のばね定数に依存するため、平板載荷試験で得た K 値は舗装構造設計の基礎データとなります。タイヤ接地面は載荷板に近い大きさなので、舗装分野ではスケール効果の影響が比較的小さいのも特徴です。
盛土・締固めの品質管理:造成や道路盛土では、各層の締固めが十分かを平板載荷試験で確認することがあります。規定の地盤反力係数や沈下量を満たさない層は再転圧します。施工管理試験としては、相対的な良否判定に使われ、絶対的な基礎沈下予測とは目的が異なります。
地盤バネ定数の決定とCAE解析:基礎構造をスプリング支承でモデル化するFEM解析では、各バネに地盤反力係数を割り当てます。平板載荷試験で得た k_p をそのまま使うと小さな載荷面の値になるため、実基礎幅に補正した k_f を入力する必要があります。本ツールのスケール補正は、解析モデルへ入力する地盤バネ定数を決める際の当たりづけに使えます。
まず最大の誤解が、「試験板の沈下量=実基礎の沈下量」と考えてしまうことです。本ツールが繰り返し示すとおり、試験板は小さく、実基礎は大きいため、同じ載荷圧でも実基礎ははるかに大きく沈下します。砂質土ではスケール係数が最大4倍、粘性土では基礎幅と試験板幅の比だけ大きくなります。試験で8mmだったから実基礎も8mmで済む、という思い込みは、建物の不同沈下や障害につながる古典的かつ危険なミスです。試験結果には必ずスケール補正をかけてください。
次に、「試験板が見ている深さは浅い」という事実の軽視です。平板載荷試験が評価できるのは載荷板幅の1.5〜2倍の深さまでで、30cm板なら地表から50〜60cm程度にすぎません。その浅い層が良好でも、実基礎が応力を及ぼす数mの深さに軟弱層や圧密層が潜んでいれば、試験は合格でも実基礎は大きく沈下し、長期の圧密沈下も加わります。平板載荷試験は単独で結論を出さず、ボーリングやサウンディングで深部の地層構成を必ず確認してください。
最後に、「載荷板の試験沈下が即時沈下である」点の見落としです。平板載荷試験で短時間に測る沈下は、主に即時(弾性)沈下です。粘性土では、その後に水がゆっくり排出されて起こる圧密沈下が長期にわたって加わり、最終沈下量は試験値からの単純なスケール拡大よりさらに大きくなります。本ツールのスケール係数は即時沈下の幅依存性を扱うものであり、粘性土の長期圧密沈下は圧密試験など別の検討が必要だと理解しておくことが重要です。