臨界断熱厚 — トラブルシューティング
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臨界断熱厚 — トラブルシューティング
よくあるトラブルと対策
臨界断熱厚に関連した実務上の問題を教えてください。
典型的なトラブルを整理しよう。
1. 断熱効果が出ない(細径管)
症状: 小径冷媒管に断熱チューブを被せたが結露が止まらない。
原因: $r_i < r_{cr}$ で断熱材が薄いと放熱がかえって増加。表面温度が露点以下に下がる。
対策: $r_o > 3 \times r_{cr}$ を確保する。
2. カタログ値と実効値の乖離
断熱材の実際の性能がカタログと違うことがありますか?
頻繁にある。主な原因はこうだ。
| 要因 | カタログ条件 | 実際 |
|---|---|---|
| 含水 | 乾燥状態 | 含水で $k$ が2〜5倍に |
| 経年劣化 | 新品 | 収縮・クラックで隙間発生 |
| 施工品質 | 理想的 | 継ぎ目・支持部にサーマルブリッジ |
| 温度 | 常温 | 高温で $k$ が増大 |
3. FEM結果が理論と不一致
最も多い原因は以下だ。
- 軸対称設定忘れ: Ansys PLANE55でKEYOPT(3)=1、Abaqusで軸対称要素を選択
- 単位系混乱: mm系では $k$ = 0.0002 W/(mm K) に変換が必要
- メッシュ不足: 薄い断熱層に要素が1層しかない
単位系の変換ミスは気づきにくいですよね。
定石は理論解で検算することだ。$q = 2\pi k L(T_i - T_o)/\ln(r_o/r_i)$ で手計算した値とFEM結果が一致しなければ設定ミスだ。
Coffee Break よもやま話
断熱材の含水でλが急増
グラスウール断熱材は吸水すると熱伝導率λが乾燥時の0.04 W/m·Kから0.5〜0.6 W/m·K(水の値)近くまで急増する。化学工場の屋外配管で保温材がひび割れから雨水を吸収した事例では、断熱効果が設計値の1/10以下になり、結露腐食も伴って配管を交換する大規模修繕につながった実例がある。
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