SIMPLE法 — 実践設定ガイド

カテゴリ: 流体解析 | 2026-02-01
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実務での設定手順

🧑‍🎓

先生、実際にCFD解析でSIMPLE法を使うとき、どんな手順で進めればいいですか?


🎓

定常解析でSIMPLE/SIMPLECを使う典型的なフローを示そう。


1. メッシュ生成と品質確認: 非直交性 < 70度、スキューネス < 0.85 が目標

2. 離散化スキームの選択: まず1次風上で安定に収束させ、そこから2次精度に切り替える

3. 緩和係数の初期設定: 圧力 0.3、速度 0.7、乱流量 0.5〜0.7

4. 残差モニタリング: 全変数の残差が $10^{-4}$ 以下、かつ監視点の物理量が安定

5. メッシュ感度解析: 3水準以上のメッシュで結果の依存性を確認


ソフト別のSIMPLE設定

🧑‍🎓

各ソフトでの具体的な設定方法を教えてください。


Ansys Fluent での設定

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Fluentでは Pressure-Based Solver を選択した上で、Coupled ではなく SIMPLE や SIMPLEC を Pressure-Velocity Coupling で選ぶんだ。


  • Methods > Pressure-Velocity Coupling > SIMPLE or SIMPLEC
  • 圧力離散化: Standard, PRESTO!, Second Order
  • 運動量: Second Order Upwind(安定したら)
  • Pseudo Transient オプションで擬似時間進行による安定化も可能

OpenFOAM での設定

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OpenFOAMの定常ソルバー simpleFoam では fvSolution の SIMPLE エントリで設定する。


```

SIMPLE

{

nNonOrthogonalCorrectors 1;

residualControl

{

p 1e-4;

U 1e-4;

}

}

relaxationFactors

{

fields { p 0.3; }

equations { U 0.7; k 0.5; epsilon 0.5; }

}

```


nNonOrthogonalCorrectors はメッシュの非直交性が高い場合に増やすとよいんだ。


STAR-CCM+ での設定

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STAR-CCM+では Segregated Flow モデルを選択すると SIMPLE アルゴリズムが使われる。Under-Relaxation Factors タブで緩和係数を設定できるよ。


緩和係数のチューニング指針

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緩和係数を最適に設定するコツってありますか?


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いくつかの実践的なガイドラインをまとめよう。


状況圧力緩和速度緩和備考
標準的な流れ0.30.7デフォルト
高Re数の乱流0.20.5安定性重視
自然対流0.3〜0.50.5〜0.7浮力項との連成
多孔質媒体0.1〜0.20.3〜0.5ソース項が大きい
収束が安定したら0.50.8加速して仕上げ

残差が振動するなら緩和を小さく、収束が遅いなら少しずつ大きくする。自動緩和機能を持つソルバーもあるよ。


🧑‍🎓

「まず安全な設定で回して、安定したら攻める」という戦略ですね。


🎓

そのとおり。CFDは「急がば回れ」が鉄則だ。


Coffee Break よもやま話

F1と空力の戦い

F1マシンは時速300kmで走ると、車重と同じくらいのダウンフォース(下向きの空力的な力)を発生します。つまり理論上、天井に貼り付けて走れる! チームは数千CPU時間のCFDシミュレーションを毎週実行し、フロントウィングの角度を0.1°単位で最適化しています。F1はCAEの技術力がそのまま順位に直結する世界です。

実務者のための直感的理解

この解析分野のイメージ

CFDって、要は「デジタル風洞」です。自動車メーカーが巨大な風洞実験設備に何億円もかけるところを、PCの中で再現できる。でも1つ注意——風洞実験なら「風を当てれば結果が出る」けど、CFDでは「メッシュの品質」と「乱流モデルの選択」という見えない品質要因がある。ここを手抜きすると、きれいなコンター図が出ても中身はデタラメ…なんてことになりかねません。

解析フローのたとえ

CFDの解析フローは「水族館の水槽を設計する」感覚で考えてみてください。まず水槽の形を決め(計算領域)、水の入り口と出口を設計し(境界条件)、ポンプの強さを設定する(流量条件)。魚がどう泳ぐか見たければ粒子追跡。水温が気になれば熱解析を追加。…どうですか? 意外と直感的ではありませんか?

初心者が陥りやすい落とし穴

「y+って何ですか?」——この質問が出たら要注意。壁面近くのメッシュ解像度を表すy+は、CFDの結果精度を左右する最重要パラメータの1つ。壁関数を使うなら30〜300、壁を完全に解像するなら1以下。これを確認せずに「摩擦抵抗が合わない!」と悩む人がとても多い。体温計の先端をちゃんと脇に挟まないで「熱がないのに37.5度って出た!」と慌てているようなものです。

境界条件の考え方

入口の境界条件は「蛇口をどのくらい開けるか」と同じ。ちょろちょろ出すか(低速)、全開にするか(高速)。でもCFDではもう一つ——「どのくらい暴れた水を出すか」(乱流強度)も指定する必要があります。蛇口の開け方を間違えると、下流のシンク全体の流れが変わりますよね? CFDでも入口条件のミスは下流全体に波及します。

CFDメッシュの品質管理や乱流モデルの選定に悩む時間を、もっと創造的な設計作業に使えたら。 — Project NovaSolverはそんな実務者の声から生まれました。

Project NovaSolver — CAE実務の課題に向き合う研究開発

「SIMPLE法をもっと効率的に解析できないか?」——私たちは実務者の声に耳を傾け、既存ワークフローの改善を目指す次世代CAEプロジェクトに取り組んでいます。具体的な機能はまだ公開前ですが、開発の進捗をお届けします。

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